河野氏骨抜き?「脱原発」一転「再稼働ある程度必要」安倍氏に“忖度”岸田氏に続いて豹変

[ 2021年9月9日 05:30 ]

自民党総裁選をめぐる相関図
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 自民党総裁選(17日告示、29日投開票)への出馬の意向を示している河野太郎行政改革担当相が8日、内閣府で記者団の取材に答え、一丁目一番地の政策とみられている「脱原発」の主張を後退させる豹変(ひょうへん)ぶりを見せた。

 原発政策を巡り「安全が確認された原発を再稼働していくのは(温室効果ガス排出量を実質ゼロにする)カーボンニュートラルを目指す上である程度必要」と述べ、脱原発に関しては「来年にやめろとは言わないが、いずれなくなる」とした。

 皇位継承の在り方については政府有識者会議の議論を尊重する考えを示し、持論の女系天皇容認を事実上撤回した。「男系で続いているのが日本の天皇の一つの在り方だ」と述べた。党保守系グループ「日本の尊厳と国益を護る会」代表の青山繁晴参院議員との面会では「自分は女系容認論者ではない」と語った。

 人気のある河野氏は総裁選で若手中堅を中心に派閥横断的な期待を集めているが、その主張を警戒する声が絶えず、沈静化とともに支持拡大を図った側面がありそうだ。

 大物が名を連ねる自民党の原発推進派は、菅政権が掲げた「脱炭素社会の実現」を追い風に動きを活発化。福島原発事故後、再稼働が困難な状況などを踏まえ発足した「最新型原子力リプレース推進議員連盟」は最大派閥・細田派に大きな影響力を持つ安倍晋三前首相、河野氏が属する麻生派重鎮の甘利明党税制調査会長らを最高顧問に据えた。「電力安定供給推進議員連盟」の会長は細田派会長の細田博之元幹事長だ。

 こうしたこともあり、麻生派ではベテランを中心に河野アレルギーが強く「支援できない」との声が拡散。甘利氏は6日夜のテレビ番組で岸田文雄前政調会長支援の可能性に言及、小泉進次郎環境相とともに再生可能エネルギーを重視する河野氏を強くけん制した。

 河野氏は6、7日に麻生太郎副総理兼財務相と、8日には安倍氏と会談。若手中堅の支持を得て天下を取っても実力者を敵に回したままでは政権運営がつまずくのは必至。さらに総選挙に続き来夏には参院選が控える。自民党関係者は「原発産業は裾野が広く脱原発は選挙にもろに影響。さすがの“変人”も重鎮たちの声に耳を傾けたのでしょう」とした。

 岸田氏は前日、森友学園問題の追及に関して「再調査は考えていない」とするなど安倍氏に忖度(そんたく)したのか軌道修正を図った。河野氏は党内で絶大な勢力を誇る原発推進派に勝てないと判断し、“短命太郎”とならないよう主義主張を封印。“骨抜き太郎”の道を選んだ可能性がある。

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