フェンシング男子団体 金メダルの決め手 “最後の”グローブに込めた思い

[ 2021年7月31日 05:30 ]

東京五輪第8日 フェンシング男子エペ団体 ( 2021年7月30日    幕張メッセ )

金メダルを手に笑顔を見せる(左から)加納、見延、宇山、山田
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 フェンシング男子エペ団体が金メダルを獲得し、チームが使うグローブを製作した香川県東かがわ市の「スケルマ」の70代職人夫婦も「自国開催で感慨ひとしお」と喜びをかみしめた。東京五輪後は工房を次女に任せる意向で、最後に最高のメダル締めとなった。また、女子柔道78キロ超級の素根輝(21)の金メダルを柔道漫画の巨匠、小林まこと氏(63)が祝福した。

 日本代表の4人の剣捌(さば)きを支えたのは、「スケルマ」の縫製職人、細川勝弘さん(74)、かずゑさん(72)夫妻が作るフェンシンググローブ。夫妻はテレビで試合の様子を手に汗握って見守った。金メダルが決まった瞬間、勝弘さんは「自分の手袋を選手が着けてくれていて、選手と一緒に戦っている気持ちだった。同じ舞台に立てたことが最高だった」と感極まった。

 「スケルマ」はイタリア語でフェンシングの意味。細川さん夫妻が作るグローブは、フェンシング界で知らない人はいないとも評される逸品だ。国際フェンシング連盟副会長の太田雄貴氏(35)が、08年北京五輪男子フルーレ個人で銀メダルを獲得した際にも使用されていたほか、国内外のメダリストから愛用されている。

 グローブを初めて手掛けたのは05年。夫妻は約半世紀にわたり縫製業を営んでいたが、次女の夫が同年の岡山国体のフェンシング競技に出場することがきっかけだった。国内に他に手掛けているメーカーはなく、試行錯誤の繰り返しだった。

 「自分の手との一体感を生むのが難しい。素手感覚に近いのが一番」と勝弘さん。手になじむように大小さまざまな生地を縫い合わせ、選手のプレースタイルや癖に合わせて細かい調整をするこだわりようだ。

 「今まで手袋はオリンピックに3大会出ている。それでも4大会目の東京は感慨ひとしおですね」と語る勝弘さん。実は、自身も一つの節目を迎える。

 「私も年ですからこれがほんとに最後です」と“引退”を宣言。今後は数年間かけて、次女が徐々に引き継ぐ予定という。金メダルという最高の結果とともに第一線を退くが、その引き継がれた技術はこれからも日本代表を支えていく。

 ≪合宿地の大分県/日田市でも歓喜≫2016年からエペの日本代表が合宿を行っている大分県日田市でも、関係者が歓喜した。年1回の合宿のほか、今大会の事前合宿でも受け入れた。現在の代表メンバーとは5年にわたる付き合い。市役所の担当者は「仕事中ですが(メダルが)決まった瞬間は声が上がりました」と話した。

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