無責任過ぎる組織委 武藤事務総長「小山田騒動」で言い訳「我々が選んだわけじゃない」

[ 2021年7月21日 05:30 ]

武藤敏郎事務総長
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 批判が高まった後もミュージシャンの小山田圭吾(52)を続投させていた大会組織委員会。起用発表で問題が表面化してから5日たった19日になって本人が辞任を申し出、ようやく収束に向かった感もある。しかし、この間、組織委が解決に向け動いたとは言えず、世間の風当たりは収まらない。背景に透けて見えるのが組織委の無責任体質だ。

 組織委を取り仕切る武藤敏郎事務総長は一夜明けた20日夜の会見で、人選について「(現場の方で)次々と必要な人を仲間として誘った。気心が分かった人でやらないと計画が進まない」と説明。「最終的な任命責任は我々にあることは間違いありません」とした上で「ありませんが、我々が一人一人を選んだわけではありません。誘い合って出来上がったグループを選んだということ」と力を込めて言い放った。武藤発言には遅すぎた辞任決着を招いた、決められない、責任を取ろうとしない組織委の体質が如実に表れていた。

 無責任体質を醸成していると指摘されているのが出向組からなる「寄せ集め集団」という組織委の成り立ち。開催都市の東京都をはじめ、国やその他の自治体、さらにスポンサー企業やスポーツ団体からも多くが派遣されていて、関係者は「誰も積極的に責任を取らない」と指摘。こうした責任の意識が希薄になりがちな組織を回してきたのが女性蔑視発言で2月に会長を辞任した森喜朗元首相だ。

 そのキャラクター性もあり、トラブル発生時には批判の的となってきたが、森氏が去って浮き彫りになったのが責任を回避する組織のありさまだ。自民党関係者は「首相経験者の森さんは重し。その下に元財務官僚の実務屋として武藤さんがいた」と表現。霞が関とは違う寄せ集め集団で各部署はもとより、組織そのものに責任を持たせるのは「官僚出身の実務屋」にはなじまないというわけだ。

 森氏辞任翌月の3月、企画、演出の統括役でクリエーティブディレクターの佐々木宏氏がお笑いタレントの渡辺直美(33)の容姿を侮蔑する演出案を提案していたことが発覚、多くの批判を浴びて辞任したが、任命した組織委は責任を取らずじまい。小山田問題でも同様。さらに、オープンになっていた過去の言動をチェックしていなかった点で、起用した側の責任がより問われている。
 組織委は無観客開催への決定過程でも小池百合子都知事に流れを決めさせる丸投げのスタンスを取っていた。

 19日昼の段階でも小山田続投を明言していた組織委。最後に鈴を付けたのは官邸だ。女性蔑視発言を受けた森氏の去就問題では国会で矢面に立たされた菅義偉首相。政府関係者は「放置すれば、批判の矛先が首相に向かう」と、圧力をかけたことを暗に認めた。組織委には自浄能力もないことを物語っていた。

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