何のために大金を…五輪スポンサー企業 苦悩「はしゃいでいると見られたら商品が売れなくなる」

[ 2021年7月10日 05:30 ]

国立競技場と五輪マーク
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 東京五輪で首都圏1都3県の無観客開催が決定してから一夜明けた9日、スポンサー企業の間では「残念だが仕方ない」「判断が遅すぎる」など不満や諦めの声が上がった。

 新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた決定には多くの企業が「状況などに応じた最善の方法での開催を希望しております」(味の素)と理解を示し、「五輪、パラリンピックの精神に共感し、大会をサポートする」(トヨタ)と協力を惜しまぬ姿勢だ。

 だが、開会式まで約2週間での変更に困惑を隠せない。ブリヂストンやNTT、富士通、NEC、味の素などは取引先を招待して競技を観戦してもらう取り組みの中止を決めた。会場内のブースや関連イベントにも影響は及び、トヨタやキヤノン、東京海上日動火災などはブース出展を見送る方向だ。ある担当者は「諦めの境地。現場はキャンセルやストップに粛々と対応するしかない」とやるせない思いを口にした。

 スポンサーであることがイメージを悪化させるとの懸念から、五輪に絡む動きに積極的でない企業もある。「世の中がこんな状況で、はしゃいでいると見られたら逆に商品が売れなくなる」との声も聞かれた。

 無観客開催にもかかわらず、国際オリンピック委員会(IOC)関係者やスポンサーら「五輪ファミリー」が生観戦できることへの不公平感が渦巻いている。その数は1万人規模とされるが、丸川珠代五輪相は9日の会見で「具体的な規模は(8日の5者協議で)議論があったわけでない」と述べるなどブラックボックス化している。そんな中、経営幹部らが観戦する姿がテレビ中継に映れば国民の怒りを買いかねないとの危惧もあり、大口スポンサーの担当者は「あまりにもイメージがよくない。弊社の社長は“何を言われるか分からないし、絶対に観戦に行かない”と言っている」と話した。

 国内スポンサーは「ゴールドパートナー」15社を最上位として、計68社に上る。2020年の開催へ向けて計約3500億円を払ったが、延期後さらに約220億円を大会組織委員会に支払い、契約を延長した。大金を支払ったにもかかわらず、踏んだり蹴ったりの状況に「何のためにスポンサーになったか分からない」と割り切れぬ思いを漏らす担当者もいた。

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