小池都知事“人流”より時流 五輪PV中止で代々木以外態度示さず、都議選へタイミング計算?

[ 2021年6月11日 05:30 ]

PV中止への態度を保留する小池都知事
Photo By 共同

 千葉県の熊谷俊人知事は10日、東京五輪・パラリンピックの期間中の7月31日~8月1日に県立幕張海浜公園(千葉市美浜区)で開催予定だったパブリックビューイング(PV)の開催を、新型コロナウイルスの影響で取りやめると会見で発表した。記者団に「感動や興奮を共有して盛り上がることや県の魅力を内外に発信することが目的だったが、コロナ禍で達成することはできないだろう」と中止の理由を述べた。

 PV開催が感染拡大を招く懸念から、各地で中止を求める声が高まっている。政府の新型コロナ分科会の尾身茂会長は「応援はほかの方法でもできる」とテレビやネットを使った応援を勧めている。

 首都圏では埼玉と千葉が中止を決め、神奈川県も黒岩祐治知事が「非常に厳しい状況」と中止を検討する考えを示す中、腰が重いのが東京都だ。ワクチン接種会場への転用が発表された代々木公園(渋谷区)は、五輪中のPVこそ中止されたがパラリンピックは開催の方向だ。井の頭公園(武蔵野市、三鷹市)では、地元自治体が中止要望書などを都に提出したが、都は態度を明らかにしていない。

 小池百合子知事は10日、記者団に「組織委との共同開催で、その中で調整し準備していくことになります」と語るにとどめた。

 都は日比谷公園(千代田区)や上野公園(台東区)など6会場でPVを開催予定で、周辺住民や関係者からは「競技場が無観客も検討する中で矛盾している」「感染対策の説明もない」と不安の声が上がっている。スカイツリー周辺(墨田区)など中止を決めた区主催のPVもある。

 世論を読む力と発信力の高さで、これまで政府や周辺の自治体を振り回してきた小池氏だが、今回は相次ぐPV中止の声にジリジリ追い詰められている。都政関係者は「開催都市の長としては、観客上限数の判断が下る6月末以降にPV開催の可否を決めたいだろう。だが、都議選は25日告示で、先延ばしするほど“政局絡み”と批判される。都民の反応を見ながら、自分にとって追い風になる答えを探しているのではないか」と指摘。人の流れを抑制することが第一のはずが、“時流”を見極めようとしているならば本末転倒と言わざるを得ない。

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