地域活性化で連携、深川ワイナリー東京×東京海洋大学が共同研究「海中熟成ワイン」を引き揚げ

[ 2021年6月7日 05:30 ]

海底から引き揚げたワイン
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 東京・深川にある“下町の小さな醸造所”として、ワイン愛好家の間で話題を集める深川ワイナリー東京が、東京海洋大学と共同研究してきた「江戸前ワイン!海中熟成ワインの味わいの変化を検証プロジェクト」の3回目となる引き揚げ作業を今月3日に行った。

 「沈没船から引き揚げたワインがおいしかった」というニュースを見て、ワイン醸造歴20年以上という同ワイナリーの上野浩輔醸造長が「ワインを海の底に沈めて、特別な味を作ってみよう」という思いから始まった同プロジェクト。その思いに賛同したのが、清水悦郎教授を中心とした同大学のメンバーで「熟成に役立てられないか、新たな海の利用方法につなげられないかという取り組みと、地元・深川の活性化につながり、海底で熟成するワインを江東区の名物ワインにできないか」という思いから、2018年4月から両者での共同研究がスタートした。

 今回引き揚げたワインは「長野県産カベルネ・ソーヴィニョン」で、同大学越中島キャンパス内の東京湾に面した桟橋で昨年12月25日に合計100本のワインを沈降させ、併せて味わいを比較するために、地上での熟成もスタートした。

 同大学の清水教授は「実はこのプロジェクトを始めようと提案してくれたのは、うちの学生なんです。深川ワイナリー東京さんのお店でアルバイトをしていて、学生から相談されたのがきっかけです。地域のワイナリーさんでもあり、同じ江東区深川を拠点にしていて地域活性化ということで、大学にある資源を活用していただき、新たなカタチでの地域貢献だと思って協力してきました」と、プロジェクトをスタートした理由について話した。

 海底から引き揚げたワインと、同期間地上で熟成させたワインをテイスティングした上野醸造長は「今回は2019年に採れた長野県産カベルネ・ソーヴィニョンを使いましたが、この年は良いブドウが採れた年でおいしいワインがつくれましたね。陸上で熟成したワインはこれから熟成を迎えて、よりおいしくなるなって感じで、海底で熟成したワインは陸上のものと比べて、ポテンシャルが引き出され、力強さを増して、香ばしい香りもしっかりと出ていると思います。想像した以上の味わいが楽しめますね」と、半年間海底で熟成したワインの感想を笑顔で伝えた。

 なお、同ワイナリーでは「海底熟成×地上熟成飲み比べセット・長野県産カベルネ・ソーヴィニョン無ろ過」(8800円・税込み)を数量限定で発売を開始しており、両方の熟成の味や色、香りや味わいの違いを楽しめるという。

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