日本のワクチン外交、大丈夫? 台湾に提供も中国怒りの「待て」 国際政治パワーゲームに発展

[ 2021年6月6日 05:30 ]

4日、台湾北部の桃園国際空港で、航空機から運び出される新型コロナウイルスワクチンが入ったコンテナ(桃園市提供・共同)
Photo By 共同

 新型コロナウイルスの感染拡大が進む台湾に日本から英アストラゼネカ製ワクチン124万回分が届けられたことを受け、台北市などは5日、感謝の声で埋め尽くされた。ライトアップされた超高層ビル「台北101」は壁面に「台湾(ハート)日本」「台日の絆と感謝」などの文字が浮かび、SNSは「謝謝日本」などの投稿が相次いだ。

 平和外交を象徴する風景は、国際政治のパワーゲームの側面もある。日本のワクチン提供に対し、中国政府は「政治パフォーマンスに固執するな」とけん制。自国製ワクチンの提供を拒んだ台湾を激しく非難した。

 中国は「ワクチン外交」を世界で展開し、既に百数十カ国に自国製ワクチン3億回分を提供している。アフターコロナを見据えて途上国などへの関与を強める中国の動きを警戒する米国は、6月末までに各地で8000万回分以上を提供する方針を表明した。

 日本も菅義偉首相が2日、ワクチンサミットで3000万回分の提供を約束した。台湾への提供はその第1弾。この日、ベトナムにも提供するために調整に入り、マレーシアへの提供案も浮上。南シナ海問題で対立する中国をけん制する狙いがある。

 日本はアストラゼネカ製を提供する見込み。1億2000万回分の調達契約を交わした上に原液の大半を国内で製造できるため、提供先はさらに増えるとみられる。

 ただ、パワーゲームに加われば中国がさらに不快感を強めるのは必至。国内のワクチン接種は遅れ、内政バタバタの菅政権が、外交もガタガタにならないことを願うばかりだ。

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