IOCへ“直訴”!?尾身会長 菅政権にいら立ち「どこに我々の考えを述べたらいいのか検討している」

[ 2021年6月4日 05:30 ]

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が3日の参院厚生労働委員会で、東京五輪・パラリンピックが国内の感染状況に及ぼす影響について「政府に言っても国際オリンピック委員会(IOC)に届かなければ意味がない。どこに我々の考えを述べたらいいのか検討している」と話した。政府に提言する立場の分科会が、政府を飛び越えてIOCへの“直訴”を示唆する異例の展開。政府や大会組織委員会には驚きが広がった。

 尾身氏は前日の衆院厚労委などで、大会開催時の感染抑制策や規模の縮小などを巡り政府の丁寧な説明を求め、この日も同じ趣旨の発言を繰り返した。「パンデミックの中での開催は普通ではない」「開催するのなら、政府もIOCもかなり厳しい責任を果たさないと、一般の市民もついてこない」などと述べた。

 大会の開催可否を巡っては「判断する立場になく、権限もない」というのが分科会のスタンス。ただ、開催すれば人出が増え、感染拡大を招きかねないとの考え。国会や分科会では4月末から再三にわたって「感染状況と医療のひっ迫状況が一番大事な要素と踏まえ、開催に関する議論をすべき時期」などと求めてきた。
 大会による感染拡大の懸念をいくら伝えても動かぬ事態に分科会が業を煮やした、まさに“尾身の乱”。永田町関係者は「菅首相や西村経済再生相に伝わっても、IOCに伝わらないとのいら立ちが出たのだろう」と指摘する。

 分科会メンバーは、緊急事態宣言が期限を迎える20日までに提言を公表する方針だ。無観客開催の回避を検討する政府と組織委にとって開催は大前提。分科会が「中止」を進言することはないとみられるが、あるメンバーは「本当に安心安全な大会ならやりたいが、医療の負担になったり、死者が出てしまったりという事態は避けなければならない」と話した。“尾身の乱”の行方に注目が集まる。

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