感染力強い 新たに検出「ベトナム変異株」8月流入なら五輪直撃

[ 2021年5月31日 05:30 ]

 新型コロナウイルスのインド株に英国株の変異が合わさったハイブリッド(混合)変異株がベトナムで検出されたことを受け、最大都市のホーチミンが30日、対策強化を決めた。

 政府のホームページや現地メディアによると、31日から市内の公共の場では2メートル以上のソーシャルディスタンスを保つよう命じる。期間は15日間。昨年4月以来の厳格な措置となる。政府は「10人以上の人が集まるイベントは市全体で禁止しているが、これを5人まで下げることを検討している」との声明も発表した。

 ベトナムでは5月から第4波に見舞われており、感染者が急増傾向だ。その背景に新たな変異株の脅威があるとみられている。新たな株は、世界中で猛威を振るう英国株とインド株の特徴があることから「ハイブリッド変異株」「印英混合型」などと呼ばれる。オンライン新聞「Vnエクスプレス」は「(従来株より)感染力がかなり強い。実験でこの変異株はすぐに増殖し空気中に短時間で広がった」などと指摘した。

 英オックスフォード大などが集計する「アワー・ワールド・イン・データ」によると、29日現在の人口100万人あたりの新規感染者数は5・26人と、マレーシアやタイなど周辺諸国に比べると極めて低い水準で推移。今のところ感染抑制に成功している中、グエン・タン・ロン保健相は新たな脅威に対し「空気中で急速に広がる。非常に危険な状態だ」と最大級の警戒感を示している。

 水際対策の甘さが指摘されてきた日本にとっても対岸の火事では済まない。楽天グループの三木谷浩史会長兼社長はツイッターに「インド型と英国型のハイブリッドがベトナムで見つかったという記事。五輪強行するリスクは大きすぎる。選手、関係者、報道陣全てにワクチンをマストにするなら話はわかるが」と投稿。開幕まで2カ月を切った東京五輪への不安を吐露した。

 英国株が初めて確認されてから日本に流入したのは約3カ月後だった。それを考えるとハイブリッド変異株が8月に流入していてもおかしくない。五輪期間中に直撃する可能性もあり、さらに重い開催リスクを背負うことになりそうだ。

 ≪アジア各国で日本より高い水準で感染拡大≫「アワー・ワールド・イン・データ」によると、29日の日本の人口100万人当たりの新規感染者数は28.50人。新たな変異株が報告されたベトナムは5.26人。ベトナム周辺では、マレーシアが278.69人、インドが119.97人、タイが68.81人、カンボジアが35.17人など、日本よりも高い水準で感染拡大が続いている。

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