五輪専用病床確保にNOの連鎖 東京以外の自治体次々と…千葉県知事も“アスリートファースト”に待った

[ 2021年5月14日 05:30 ]

各県の開催競技と病床使用率
Photo By スポニチ

 東京五輪・パラリンピック組織委員会が、新型コロナウイルスに感染した選手らを受け入れる専用病床の確保を医療機関に求めていることに関し、千葉県の熊谷俊人知事は13日、否定的な考えを示した。開催種目がある自治体では茨城、神奈川県の両知事も“アスリートファースト”の要請を拒否しており、本紙取材では埼玉県なども「特別扱いはしない」と回答。医療現場が逼迫(ひっぱく)する現状で、東京都以外の自治体から続々「NO」が突きつけられた。

 熊谷氏は定例記者会見で「(五輪)関係者のために、県民が使えない形で病床を占有することは考えていない」と述べた。前日には、茨城県の大井川和彦知事が「県民より選手を優先できない」とし、神奈川県の黒岩祐治知事も定例会見で「(専用病床確保は)とても対応できる状況ではない」と話している。

 東京都以外で開催種目があるのは8道県だが、現在は北海道、埼玉県、千葉県、神奈川県で「まん延防止等重点措置」が適用されている。札幌市でマラソンを開催する北海道は、新規感染者が過去最多になる深刻な状況。札幌市は本紙に「今の状況では、選手専用病床の確保はすべきでない」と回答。指標の「ステージ3」への引き上げが検討されている静岡県は「県民と同じように対応する」、福島県も「通常の県民と同じ対応の方向で調整中」とした。

 この日、菅義偉首相は森田健作前千葉県知事と官邸で面会し、五輪・パラリンピックを予定通り開催する方針を重ねて示した。面会後、森田氏が「首相は“やるよ”と言っていた」と明らかにした。

 しかし、首相のやる気と裏腹に医療体制の構築はいまだ不透明。政府の感染症対策分科会の尾身茂会長はこの日、参院内閣委員会で、五輪開催可否判断に「期間中にどの程度、医療に負荷がかかるかの評価が極めて重要だ」と医療現場への影響を加味することを訴えた。

 ≪組織委・武藤事務総長は「不安はない」≫組織委の武藤敏郎事務総長はこの日、感染者の入院先などの確保に「不安があるということはない」との認識を示した。組織委は「大会指定病院」として30カ所を想定。大会用の専用病床の確保までは求めていないとし「うまく地域医療の中で、受け入れてもらうご配慮をいただければ」と述べた。

続きを表示

「騒動特集」特集記事

「加藤綾子」特集記事

2021年5月14日のニュース