乗客コロナ感染のクルーズ船 横浜に戻る 「DP号」集団感染の教訓を生かして対応

[ 2021年5月2日 05:30 ]

横浜港に到着したクルーズ船「飛鳥2」から下船する乗客ら
Photo By 共同

 乗客の60代男性が新型コロナウイルスに感染したクルーズ船「飛鳥2」が1日、横浜港大さん橋(横浜市中区)に到着した。男性と家族の女性は船から下り、東京都内に向かった。他の乗客らに症状は確認されておらず、順次、下船した。

 運航会社の「郵船クルーズ」の坂本深社長は、横浜市で報道陣の取材に応じ「ご迷惑を掛け申し訳ない」と謝罪した上で「ダイヤモンド・プリンセスの件から学んでいたため速やかに対応できた」と説明。昨年2月に集団感染があった英国船籍のクルーズ船の教訓が対策につながったとした。

 市や郵船クルーズによると、飛鳥2の乗客乗員は計約720人で4月29日に横浜港を出発。乗客は出港1週間前の22日に検査キットを使用したPCR検査を受けており、全員が陰性だった。

 同社は国内で変異株が拡大していることを考慮し、1週間前の検査に加えて29日の乗船直前にもPCR検査を再び実施。出港後の30日午後に結果が出て、男性の陽性が判明した。宮城県沖を航行中にクルーズの中止を決め、横浜港へ引き返した。

 男性は乗船後、喉に違和感があったという。濃厚接触者は家族の女性1人だけで、船内の検査で陰性が確認された。船は青森県や北海道を巡って今月5日に横浜港に戻る予定だった。

 新型コロナの水際対策をどんなに講じても“すり抜け”が出てしまうことが改めて浮き彫りになった形。7月の東京五輪では海外から来る全ての大会関係者を対象に、出国前96時間以内の2回のウイルス検査と入国時の検査を求める。入国後は原則として毎日検査を行うなど態勢を大幅に強化するものの、海外由来の新たな変異株の侵入などの不安は拭い切れそうにない。

 ▽ダイヤモンド・プリンセス号内の集団感染 乗員乗客3711人を乗せた英国船籍のクルーズ船内で昨年2月、横浜港沖で発生。同港発着の船が周遊を終えて帰港する直前、乗客の一人が香港で下船後に感染したことが判明。日本政府は同港沖で約2週間の検疫を実施。この間船内で待機した712人の感染が確認され、13人が死亡。同船は英国籍で原則として日本の法律や行政権を適用できず、難しい対応を迫られた。

 ▽飛鳥2 郵船クルーズが所有する全長241メートルの日本最大のクルーズ客船。クルーズ専門誌が主催する「クルーズシップ・オブ・ザ・イヤー」を初代「飛鳥」から28年連続受賞するなど国内外から評価が高い。今回のクルーズは4月29日~5月5日で青森、函館、釧路を巡る予定だった。旅行代金は39万8500円~181万4000円(大人1人、税込み)。

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