須藤容疑者 家政婦不在3時間半のラブラブタイム“利用”か 覚醒剤で生まれる時間差アリバイに?

[ 2021年4月29日 06:10 ]

野崎幸助さんの自宅(2018年撮影)
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 「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の酒類販売会社の元社長、野崎幸助さん=当時(77)=に2018年、致死量の覚醒剤を口から摂取させて殺害したとして、和歌山県警は28日、殺人と覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで元妻の須藤早貴(さき)容疑者(25)を逮捕した。

 野崎さんの不審死から3年。和歌山県警は死の約3カ月前に結婚したばかりの容疑者が野崎さんと2人きりで過ごしていた空白の3時間半を捜査していた。

 野崎さんの死因は口から致死量の覚醒剤を摂取したことによる急性覚醒剤中毒で、死亡推定時刻は午後9時ごろ。午後10時半ごろ、2階寝室のソファで仰向けに倒れた状態で見つかった。解剖の結果、胃の内容物などから致死量を超える覚醒剤成分が検出。注射痕はなく、当初から何らかの方法で覚醒剤を飲まされた可能性が指摘されていた。

 覚醒剤は静脈注射すれば即座に効き始めるが、経口摂取なら数十分かけて体内に行き渡るとされる。カプセルを使えば、胃で溶けるのに時間を要して2時間程度で中毒症状が出始める。

 元家政婦の女性の証言では、午後8時ごろに2階寝室から「ドンドンと音が聞こえた」。この時間帯に野崎さんが覚醒剤中毒を起こしたとすれば、どちらの方法だとしても午後6~7時半に摂取したと考えられる。

 この日、元家政婦は午後4~7時半に外出していた。55歳年下の妻をめとった野崎さんのために、毎日夕方に夫婦2人きりの時間「ラブラブタイム」をつくるようにしていた。摂取はこの時間帯に当てはまる。

 捜査関係者は、須藤容疑者は2人になれる機会を狙って夫を殺害し、元家政婦とも過ごすことで巧妙にアリバイ工作をしていたとみている。野崎さんが亡くなった当日、元家政婦の外出中に夫妻は1階で2人きりで食事。食べたものが鍋だったことがこの日新たに判明した。この時に何らかの形で覚醒剤が野崎さんの口から入ったとみられる。元家政婦が帰ると、野崎さんは2階におり、須藤容疑者は帰宅した元家政婦と1階でテレビを見ていた。覚醒剤で生まれる時間差を計算した上での犯行だった可能性がある。

 県警は会見で、須藤容疑者の殺意について「致死量の覚醒剤を使用していることも含まれるが、その他の証拠も殺人に結びついている」とした。証拠の内容は「差し控える」としたが犯行を裏付ける状況証拠がそろったとみられる。

 《謎多き元家政婦》16年ごろから野崎さんに仕えた元家政婦は、30年以上前は六本木でクラブのママを務めていたこともある人物。野崎さんが亡くなった3カ月後に銀座でホステスをしていることが一部で報じられたが、それ以降一切消息は不明。28日、過去に住んでいたとみられる都内のマンションでは元家政婦とみられる女性は姿を現さなかった。

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