都内の4つの寄席 感染防止策行い公演継続「社会生活の維持に必要なもの」

[ 2021年4月26日 05:30 ]

緊急事態宣言が出された25日ものぼりが立ち、通常通り公演を行った浅草演芸ホール
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 演芸の灯火は決して消さない。東京都に緊急事態宣言が出された25日、東京寄席組合と落語協会、落語芸術協会は「寄席は社会生活の維持に必要なもの」として、台東区の鈴本演芸場など、都内に4つある寄席での公演を感染防止策を行った上で通常通り継続した。

 人出の抑制を図る宣言の趣旨から批判が上がる一方で「勇気ある決定だ」「娯楽は生活に間違いなく必要」など好意的な意見も多数上がった。この日午前10時半ごろ、台東区の浅草演芸ホールでは、開場を待つファンが入り口前に列をつくった。

 落語関係者によると、最初の緊急事態宣言が発令された昨年4月以降、客足は遠のき「落語ブームの時と比べると天と地。観客はひどい時で9割くらい減った」という。

 寄席興行は、収益を寄席側と出演者で割ってギャラを払うため、客入りが悪いと赤字続きは免れない。それでも寄席を開けるのは、若手を育成し、文化を守るためだ。寄席組合は「寄席は戦争も乗り越えて現代まで続いてきた。それは生きるために必要だからではないか」と、24日午前に公演続行を決めた。

 新宿区の新宿末広亭では、真山由光代表取締役社長が取材に応じ「(寄席の)文化を守ろうという気概はある。おごりかもしれないけど」と使命感から決断。「経営も本当にぎりぎりの状態。やればやるだけ赤字で、やらなくても収入は0。それでも支援はいまだにない。このまま支援がないと、近いうちに日本から寄席はなくなる」と行政への怒りも口にした。

 演芸場は都の「無観客開催」の要請対象に含まれたが「無観客でやったとして(プロ野球のように)放映料をもらえることもない。要請はあり得ないし、理不尽」と憤った。毎日楽屋で顔を合わせる芸人に思いをはせ「この人たちのためにも粘らなきゃと、気持ちを立て直してやっている」と語った。

 豊島区の池袋演芸場の河村謙支配人は「最初の緊急事態宣言の時に3カ月ほど閉めたが意味があったのか」と提起。「たくさん取材も来るし、本当にいいのかなという気持ちも強い」としつつ「あとは来るか来ないかはお客さんの判断」と覚悟の表情。出演者の一人は帰り際「出られることだけでありがたい」と感謝を語った。

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