東京、短期の緊急事態宣言のワケは「バッハ来日シフト」 会長来る5.17までに抑え込みたい

[ 2021年4月22日 05:30 ]

 政府は21日、新型コロナウイルス感染が広がる東京都、大阪府、兵庫県に対する緊急事態宣言発令をあす23日の対策本部会合で決める方針を固めた。期間は今月下旬からの大型連休を含める方針。

 東京都は21日夜、緊急事態宣言の発令を政府に要請した。都政関係者によると、休業要請の対象に百貨店やショッピングセンター、遊興施設、テーマパークなどを含めるよう要望。期間は「今月29日から最長で5月16日まで」など複数案を検討。「今月29日~5月9日」を「強化期間」とする案も浮上。何を強化するかは不明だ。

 「短期集中」を掲げる小池百合子知事の意向が強く働いたものとされるが、宣言期間中に強化期間を設けるという二重の期間設定となれば、都民や事業者は混乱しそうだ。

 過去2回の宣言はいずれも期間を1カ月として発令。感染を減少傾向に転じさせ、医療提供体制の改善を図るためのもので2回とも延長された。政府の感染症対策分科会の尾身茂会長はこの日の国会で「個人的には最低3週間は必要」との認識を示した。こうしたことを考えると「今月29日~5月16日」の場合の18日間は政府の言う「効果見極めに2週間」をクリアしただけで、あまりに短い。期間設定の背景として指摘されるのが、5月17日の来日で調整される国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長の日程に合わせた“バッハシフト”だ。

 17日に来日し、被爆地の広島市で聖火リレー関連の式典に出席。18日に東京で菅義偉首相、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長、小池氏との会談に臨む予定。

 バッハ氏は開幕まで100日となった今月14日、参加選手に「東京・国立競技場で待っています」と呼び掛け、大会実現を改めて強調した。来月の首相らとの会談で安全に開催するため全力で準備に取り組む方針を日本側に確認するとみられる。政府、東京都ともども確実な開催をアピールする機会だ。

 それが「緊急事態」の最中の節目として世界に報じられれば国内ばかりか国際世論、一部参加選手にある開催懐疑論をさらに高めることになりかねないことから“バッハシフト”が検討されているようだ。

 3度目の宣言に国民は辟易(へきえき)。一方で最後の宣言として徹底的な感染抑え込みを求める声も多い。「短期集中」に名を借りた五輪猛進の姿勢。国民感情からますます乖離(かいり)していきそうだ。

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