二階幹事長“五輪中止ある”、菅首相訪米直前にお騒がせ…後に釈明文

[ 2021年4月16日 05:30 ]

衆院本会議で麻生財務相(右)と話す二階自民党幹事長=15日午後
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 自民党の二階俊博幹事長が15日、TBSのCS番組収録で、新型コロナウイルスの感染がさらに拡大した場合、東京五輪・パラリンピックの中止も選択肢との見方を示した。政権与党中枢の発言だけに大騒ぎとなったが、その後、釈明文書を発表。二階氏のドタバタ独り舞台に振り回された一日となった。

 二階氏は五輪開催による、さらなる感染拡大を懸念する声が上がっていることに関し「その時の状況で判断せざるを得ない。これ以上とても無理だっていうことだったら、スパッとやめないといけない」と指摘。番組の進行役から「そういう選択肢もある?」と念押しされると、「当然です。オリンピックで感染病をまん延させたとなれば何のためのオリンピックか分からんですよね」と述べた。

 政権幹部が中止の可能性に言及するのは異例で各方面に衝撃が走った。東京都の小池百合子知事は記者団に「(二階発言は)叱咤(しった)激励。コロナを抑えていきましょうというメッセージと受け止めている」と話した。波紋は広がるばかりだったが、二階氏はその後に発表した文書で、大会組織委員会の森喜朗前会長が「コロナがどういう形だろうと必ずやる」と発言し批判を浴びたことを念頭に置いてか、「何が何でも開催するのかと問われれば、それは違うという意味で申し上げた」と記した。

 菅義偉首相は日米首脳会談のためにこの日夜、米国に向けて出発。そうした中での発言に政府関係者は「バイデン大統領が“米国は選手団を派遣する”と言ってくれればベスト。そういう期待も抱いて臨む会談だ」とした上で「このタイミングで日本側の政権与党幹部が決して言ってはならないもので、失言中の失言だ」と怒り心頭。官邸の空気感が本人にも伝わり、釈明に追い込まれたようだ。

 五輪を後押しする姿勢を前面に出してきた二階氏の発言だけに五輪懐疑論が高まる可能性があり、永田町ではその言動に「?」が向けられた。普段は国民目線から乖離(かいり)していると受け取られているが、この日の発言は安全、安心な形での五輪開催を最優先すべきだとの認識を強調したものとみられ、珍しく国民感情に沿う中身。現在は25日投開票の国政トリプル選挙の真っ最中。「政治とカネ」が問われ厳しい戦いを強いられており、最高責任者である幹事長の焦りから世論に迎合したのではと指摘する声も上がった。

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