菅義偉首相「第4波」認めたくない? 尾身会長が認めても「全国的なうねりとまではなっていない」

[ 2021年4月15日 05:30 ]

 新型コロナウイルスの新規感染者数が全国的に見て増加傾向にある中、政府の感染症対策分科会の尾身茂会長は14日の衆院内閣委員会で、現在の感染状況に関し「いわゆる“第4波”と言って差し支えない」と述べた。一方、菅義偉首相は参院本会議で、立憲民主党の杉尾秀哉氏から「この危機的状況でも第4波ではないと言い張るのか」とただされ、「現時点で全国的な大きなうねりとまではなっていない」と否定的な見解を示した。

 緊急事態宣言は3月21日で全面解除。全国の日別の感染者数は同26日に2月6日以来となる2000人台となり、4月7日には1月30日以来の3000人台に。そして、この日、1月28日以来の4000人超えとなる4309人を数えた。

 尾身氏は2日の衆院厚生労働委員会で「(第4波に)入りつつある」と指摘。しかし、首相は一貫して否定的。5日の参院決算委員会では「第4波では」と聞かれても認めず、12日の衆院決算行政監視委員会では大阪府の感染状況に関し1月に宣言を再発令した当時と比べ「今の方が厳しくなっている」と述べたが、第4波との見方は受け入れなかった。

 この日も含め、第4波を否定する際、決まり文句のように言及するのが「全国的な大きなうねり」。立民の枝野幸男代表は5日の首相答弁を受け「どうして物事を小さく見ようとしているのか。対策はこのことによる失敗の繰り返しだ」と痛烈に批判したが、首相はその後も一向に改める気配はなし。「第4波=野党の総攻撃」という政治状況が背景にありそうだ。

 立民、共産、国民民主の野党3党の国会対策委員長は3月30日の会談で「第4波を防げなければ、内閣総辞職に値する」との認識で一致。立民などは大阪府などを対象に5日に初めて適用された「まん延防止等重点措置」を巡り、「既にまん延している」として宣言の発令を主張。感染拡大は2月末に先行して行った「拙速な解除」(枝野氏)が招いた結果として政治責任を厳しく追及しており、今の時点で第4波を認めれば国会で火だるまにされるのは必至だ。

 さらに、第4波となれば、内閣支持率は低下。大阪府にとどまらない宣言発令に追い込まれれば、東京五輪にも大きく影響する。

 政権運営優先で第4波を認めず、またしても後手対応――これまで繰り返されてきた失政はもう勘弁してほしいものだ。

続きを表示

「騒動特集」特集記事

「欧州スーパーリーグ」特集記事

2021年4月15日のニュース