河野行改革相 急ピッチ意気込むもワクチン頼み大丈夫?12日から高齢者接種スタート

[ 2021年4月12日 05:30 ]

 65歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの接種が12日、全国各地の自治体で始まる。開始に先立ち、ワクチン接種を担当する河野太郎行政改革担当相は11日、NHK番組で「発症予防、重症化予防の効果が非常に高いことが分かっている。接種のスピードを少しでも早くしていきたい」と急ピッチで接種を進めていく考えを示した。

 医療従事者を除いた一般住民の接種は初めて。対象となる65歳以上は全国約3600万人。準備段階で医療従事者約470万人の接種もまだ2割程度にとどまることや会場の運営維持など課題は山積みだ。さらに厚生労働省が開発した「ワクチン接種円滑化システム(V―SYS)」に一部不具合が判明しており、自治体側から「使い勝手が良くない」などと不満の声も上がっているが、河野氏は「現場でできないことが生じては本末転倒。要望に合わせて変えていきたい」と都度改善していく考えを明かした。

 それでもコロナ禍を乗り越えるためにワクチンが“切り札”であることに変わりはない。英オックスフォード大の研究者らが運営するデータベース「アワー・ワールド・イン・データ」によると、国民にワクチンを少なくとも1回接種した割合は9日時点でイスラエルが61・33%で世界で最も高い水準で、英国が47・15%で続く。

 英国では1日の新規感染者が1月に6万8000人を超えたが、現在は3000人前後で推移しておりピーク時の4%にまで急減。速いペースで接種を進めてきたのと同時に、ロックダウン(都市封鎖)や夜間外出禁止など厳しい措置を続けたことで感染者が減少に転じた。

 米国もワクチン接種が進み、3月中旬に1日当たりの新規感染者数がピーク時の20万人から5分の1に減少。9日時点で接種率は34・22%に達したが、こちらは感染力の強い変異株の広がりに加えて各地で経済活動が活発化したことから再び増加傾向に転じている。

 英米のケースを見ると、ワクチン接種と規制緩和のかみ合わせが感染抑制の鍵となる。日本政府は「まん延防止等重点措置」を12日から6都府県に拡大するが、ワクチン政策と連動しているようには見えない。ワクチン頼みで突き進むなら視界不良のままとなりそうだ。

 《欧州内でも明暗》欧州内では接種が進んでいる国とそうでない国で明暗が分かれている。英国と人口が同規模のフランスは9日時点でワクチンの接種率が15・47%と低調。人口100万人当たりの新規感染者数は414・76人と英国の約16倍で、1日6万人を超える感染者が出るなど深刻だ。フランス政府は3日から国内全域でロックダウンと学校の休校措置をとって感染抑制を図っている。

 ▽V―SYS 国や地方自治体などから報告されるワクチンの在庫量、割り当て調整、接種会場などワクチンに関する情報などを一元的に管理するシステム。スタートすれば予防接種の効率的、かつスムーズな実行が可能となり、医療従事者や行政の負担軽減が見込まれる。国はワクチン接種者の状況を管理する「VRS(Vaccination Record System)」の運用も進めている。

続きを表示

「騒動特集」特集記事

「欧州スーパーリーグ」特集記事

2021年4月12日のニュース