東京「まん延防止」追加で三鷹駅に南北問題発生 北口・武蔵野市対象で南口・三鷹市対象外

[ 2021年4月10日 05:30 ]

 政府は9日、新型コロナウイルス感染症対策本部会合を首相官邸で開き、緊急事態宣言に準じた対策を可能とする「まん延防止等重点措置」の適用対象に東京、京都、沖縄の3都府県を追加すると決めた。期間はいずれも12日からで、京都と沖縄は5月5日まで、東京は同11日まで。適用は計6都府県となる。

 東京都では7、8日と連続して新規感染者数が500人を超え、8日に政府へ適用を要請。9日も537人で3日連続で500人台となった。

 その東京都の重点措置対象地域は23区と八王子、立川、武蔵野、府中、調布、町田の6市。しかし、武蔵野、三鷹両市の境に位置するJR三鷹駅で「南北問題」が発生、線引きの在り方が議論を呼んでいる。

 北口は武蔵野市で対象地域。飲食店の営業時間は今より1時間早い午後8時までと要請され、命令に応じない場合は最大20万円の過料を科される可能性も。南口は三鷹市で対象外。飲食店の営業は午後9時までOKだ。しかも、簡易裁判所など官公庁やビジネスホテルがある北口に対し、飲食店が多いのは南口。駅ビルは専有面積が多い三鷹市との扱い。

 分かりにくく、不公平感が生じかねない線引き。加藤勝信官房長官は会見で「線を引けば、どこかで(そうした地域が)出てくる」とした上で、重点措置の制度として「どう切り分けるかは各都道府県の判断」と話した。

 切り分けの責任者である小池百合子都知事は会見で、市街地が連なるエリアとして北区赤羽と都県境を越えた埼玉・川口を例に挙げ、「これはどうなんだ、と。それはどこでもある」と指摘。6市の切り分けは店舗数、感染者数などを総合的に判断したと説明した。

 北口にある飲食店の店主は「過料の問題はあるが、今度は(要請、命令に)従えないかもしれない。吉祥寺があるから武蔵野市が対象になったのだろうが、線路を挟んだ向こう側に人が流れるだけだ」と、客離れとともに南口での人流増加を懸念。南口のラーメン店「グラバー亭」の新井健志店長(47)は「こちらの方が飲食店が多いのに、対象外なのはおかしな感じだ。我々としてはホッとした面があるが、北口のお店はかわいそう」と複雑な心境を明かした。

《世界でも導入例》新型コロナウイルス対策として「まん延防止等重点措置」を3都府県に追加適用する日本のように、世界でも地域ごとに制限措置を導入する事例は多い。ただ感染を抑え込めず、制限地域が拡大するケースもある。感染拡大第3波に苦しむフランスでは3月20日、首都パリを含む一部地域で外出規制強化を実施した。しかし、医療のひっ迫状況が改善されないまま他地域でも感染者が増え、同様の規制は今月3日、全土に拡大することになった。ワクチン接種が進むチリでは感染がぶり返し、首都がロックダウン(都市封鎖)された。

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