北朝鮮が五輪不参加表明1号 日本の制裁延長決定のタイミング「政治的な意図あるはず」

[ 2021年4月7日 05:30 ]

金正恩朝鮮労働党委員長(AP)
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 北朝鮮体育省は6日、ウェブサイト「朝鮮体育」を通じ、東京五輪への不参加を決めたことを明らかにした。新型コロナウイルス感染症から選手を保護するためとしており、日本政府は確認を急ぐ。今回の東京五輪に参加しないと表明した国は初めて。大会関係者は「隣国の北朝鮮が真っ先に不参加を表明したダメージは大きい」と語り、他国への波及など今後の影響を懸念している。

 不参加を決めたのは、同国オリンピック委員会が3月25日に開いた2021年総会で、この日は聖火リレーの初日だった。北朝鮮はスタート直前に弾道ミサイル2発を発射。リレー開始で高まる五輪ムードに水を差す狙いとみられ、本番に向けてさらに挑発を重ねる恐れが高まっている。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は6日、菅義偉首相がミサイル発射に言いがかりをつけたとし「自衛権に対する露骨な否定、乱暴な侵害であり決して見逃せない」と名指しで批判した。

 防衛省幹部は「五輪期間中の弾道ミサイル発射など行動をエスカレートさせる恐れはある」と身構える。一方、コリア・リポートの辺真一編集長は「危険を恐れる各国の“不参加ドミノ”を広げようと、開会式までに発射する可能性は十分ある」と指摘する。辺氏によると、北朝鮮は間もなく日本の国民体育大会(国体)に相当する大規模な国内大会を開催予定で「五輪は不参加の一方で国内大会を開き、日本のコロナ対策が不十分と世界に示す狙いもある」とも分析する。

 6日は日本政府が閣議で対北朝鮮独自制裁の2年間延長を決定したタイミングだった。官邸筋は「開幕3カ月以上も前に不参加というのは早すぎる。政治的なメッセージがあるはずで、意図を分析する必要がある」と強調した。

 《撤回の可能性も、菅首相が見解》菅義偉首相は6日夜のBS日テレ番組で、北朝鮮の不参加表明について撤回の可能性もあるとの認識を示した。「一方的な発表を聞いているだけだ。国際オリンピック委員会(IOC)、大会組織委員会、東京都の中で状況を整理していくのだろう」とした。

 《64年東京五輪は開催2日前に…》北朝鮮が五輪に参加しなかったケースは過去にもある。1964年東京大会は、一部選手の資格停止問題で開幕2日前に不参加を決定。来日していた選手団を引き揚げるトラブルとなった。東西冷戦下の84年ロサンゼルス大会は、西側諸国が80年モスクワ大会をボイコットした報復として北朝鮮も東側諸国とともに選手を派遣しなかった。88年ソウル大会は南北共催とする案も検討されていた。しかし87年に大韓航空機爆破事件が発生し交渉は決裂。北朝鮮は大会をボイコットした。

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