東京に忍び寄る変異株「N501Y」の恐怖、厚労相に危機感「着実に増えている」

[ 2021年4月7日 05:30 ]

東京・銀座4丁目の交差点を行き交う人たち=6日夕
Photo By 共同

 大阪など3府県に新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が適用されて一夜明けた6日、田村憲久厚生労働相は会見で、東京都の感染状況について「関西圏のような伸び方ではないが、着実に増えている。非常に要注意だ」と強い危機感を示した。首都圏の感染拡大は全国に影響するとして、病床確保、飲食店見回りなどの対応を改めて要求。重点措置を適用するかどうか明言を避けたが「出そうが出すまいが、厳しい対応をしてほしい」と強調した。

 東京都でこの日、新たに報告された感染者は399人。直近7日間の平均は1日当たり396・9人で、前週比109・8%。リバウンドが強く懸念される状態で、多くの専門家が注意喚起するのが変異株の存在だ。

 都によると、緊急事態宣言解除後の3月22~28日の7日間で変異株を見つけるために行ったスクリーニング検査は493例。このうち15例で検出。率にすると3・0%だった。しかし、同29日~4月2日の5日間では347例の検査に対し53例で検出され、“変異株陽性率”は15・3%。検査数自体も少なく、単純比較はできないものの、変異株の増加は確実と言えそうだ。

 これらは全て関西での確認が相次いでいる英国型。「N501Y」と呼ばれるタイプで、感染力が従来株の1・7倍とされ、第4波をもたらす大きな要因だ。重症・死亡リスクも高くなる可能性が指摘されている。

 一方、都内では「E484K」の変異も増加。新規感染者数のうちほぼ半数にあたるとみられている。免疫逃避型と呼ばれ、ワクチンの効果が低下する可能性も。感染力は従来株とほぼ変わらず、スクリーニング検査の対象にはなっていない。変異株も流行となれば、医療の現場に大きな負荷がかかるのは必至。知見が不十分なことから、退院条件が「PCR検査で2回陰性確認」など厳しくなり、入院が長期化。兵庫県の病床使用率はステージ4相当だ。従来株と変異株の患者を別室、別棟で管理する医療機関もあり、さらに、株が違う患者に接する際、防護服の着替えを迫られるケースも。病床使用率などこれまでの指標では表せない新たな逼迫(ひっぱく)要因になりそうだ。

 《新型コロナ変異の一つ》「N501Y」は新型コロナウイルスの変異の一つ。ウイルス表面にあるトゲ状の「スパイクたんぱく質」のアミノ酸のうち、501番目のアミノ酸がN(アスパラギン)からY(チロシン)に置き換わる変異をしたことを意味する。同様に「E484K」は484番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リシン)に置き換わったことを指す。南アフリカ型とブラジル型は「N501Y」と「E484K」両方の変異を持ち、それぞれの特徴も併せ持っている。

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