7万円接待された山田広報官 けじめどうする?総務省処分適用されず

[ 2021年2月24日 05:30 ]

 山田真貴子内閣広報官
Photo By 共同

 菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」から総務省職員ら13人が計39件の接待を受けていた問題で、同省は24日に幹部ら11人への懲戒処分などを行う。これに合わせて、総務審議官時代に高額な接待を受けていた山田真貴子現内閣広報官がどう対処するかにも注目が集まる。

 山田氏は19年11月、東京・虎ノ門で正剛氏や東北新社社長らと会食し、1人当たり7万4203円の飲食費を丸抱えしてもらっていた。これには総務省職員も「目が点になった。金額が1桁違う。常識から懸け離れている」と憤りをあらわにしていた。

 山田氏は昨年6月、IT教育を推進する一般社団法人が公開した若者向けの動画メッセージで、幸運を引き寄せるための処世術として自らを「私は絶対に飲み会を断らない女としてやってきた」と称していた。だが、皮肉にも高額接待が判明し菅内閣に“不幸”を招いてしまった。

 出身の総務省は既に退職し、特別職の国家公務員である内閣広報官であることから同省の処分は適用されない。そのため、自発的な辞任や一定期間の一部の給与返納といったけじめを自ら示すとの見方もある。

 政府高官は「本人が決めることだが、辞めるような問題ではない」と強調。東京五輪・パラリンピック組織委員会会長だった森喜朗元首相が女性蔑視発言で辞任に追い込まれたばかり。政府としては、男女共同参画を推進する観点からも、女性初の内閣広報官が引責辞任する事態は避けたいとの思惑がある。

 他の総務省幹部らへの接待は1人当たり5000円から2万円台が多かった。官邸筋は山田氏が1回で約7万4000円と突出していたことに関し「国民からの見え方が悪い」と指摘。新型コロナウイルス対応の後手批判で支持率が下落した菅政権へのさらなるダメージを懸念している。

 内閣支持率は1、2月と新型コロナ感染者数の下げ止まりと連動するように“低値安定”。菅首相が東北新社と総務省幹部の「ズブズブな関係」(野党議員)の解明に消極的な姿勢を見せれば、接待した側と受けた側双方に“身内”がいるだけに世論が反発する懸念もある。支持率が再び下降を始め、危険水域の30%を下回ることも予想される。就任後初の国政選挙となる4月25日の衆参2補選と再選挙に影響を及ぼす可能性も大きい。

 ◆おことわり 総務省の接待問題で、同省の幹部多数が処分される事態になりましたので、菅義偉首相の長男ら接待した側も実名で報じます。

 《女性初の首相秘書官》山田氏は東京都出身で現在60歳。早大法学部卒業後の1984年4月に当時の郵政省に入省。主に情報通信関連部局を渡り歩くなどし、第2次安倍政権下の2013年11月、女性初の首相秘書官に登用された。15年7月に情報通信国際戦略局長として総務省に復帰するなど出世街道をばく進。官房長を経て17年7月、放送行政を所管する情報流通行政局長に就いた。19年7月には次官に次ぐNo・2のポストである総務審議官の座を射止め、1年間務めた。この間に高額接待を受けていた。昨年9月の菅政権発足とともに、女性初の内閣広報官に抜てき。首相会見では質問を求める記者を指名するなど仕切り役。「次の日程」を理由に会見を打ち切り、説明力や発信力の乏しい首相を援護射撃していた。

 《「モリカケ問題」と同じ構図?》東北新社側による総務省幹部に対する接待攻勢は、子会社の衛星放送認定の更新直前である昨年12月ごろに集中。総務省は放送行政を所管しており、会食中に許認可を巡るやりとりがあったのかどうかが最大の焦点の一つとなっている。首相は総務相を経験し、官房長官時代を含めて総務省の人事に強い影響力を持っているとされる。長男は“菅総務相”の秘書官を務めていた。こうしたことから、野党は「モリカケ問題」と構図が同じだと指摘。官僚側が忖度(そんたく)し行政がゆがめられた疑いがあるとして追及している。

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