五輪「神アプリ」大丈夫? 入国する観戦客と選手団対象、不調「COCOA」の二の舞も

[ 2021年2月21日 05:30 ]

 菅義偉首相は19日深夜、先進7カ国(G7)首脳によるオンライン会議に出席し、今夏の東京五輪・パラリンピックを「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として開催する決意だ」と各国に支持を呼び掛けた。会議後の20日未明、官邸で記者団に「日本の感染状況や対策を発表し、評価を得ることができた」と胸を張った。

 首相のドヤ顔と裏腹に、ここに来て海外からの観戦客らに向けて開発中の専用アプリが不安視されている。内閣官房が手掛ける「オリンピック・パラリンピック観客等向けアプリ(仮称)」だ。五輪観戦を目的に入国する外国人や、選手団らの健康管理と感染拡大の防止が目的で、利用者には入国前のダウンロードを義務付ける。アプリを通じて健康状態の報告を求め、応じなければ競技会場への入場を認めないなどの措置を取る。今年1月から開発を始め、現時点で観戦者と選手団ら計約120万人の使用を想定している。

 海外から観客を迎えて五輪を開きたい政府が、切り札と期待するアプリ。だが、アプリを起動すれば、ワクチン接種と入国後14日間の隔離措置が免除されるなどの運用法に対し、17日の衆院予算委員会では野党議員から疑問の声が上がった。

 立憲民主党の尾辻かな子衆院議員は「ワクチンに頼らず、この神アプリで大丈夫だと考えているんですか」と首相に詰め寄り、変異株流入や市中感染拡大に懸念を示した。利用の義務化を目指す動きもあるが、五輪関係者によると「スマホを持たない人への対応など、抜け穴ができる恐れもある」という。

 開発費は運用費なども含め約73億円。約3億9000万円だった接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の20倍近い額で、五輪が無観客開催になれば無駄になる恐れもある。

 新型コロナの感染拡大を巡り、国内ではデジタル化の遅れがあらわになった。「COCOA」は不具合が連発。感染者数や死者数などの情報を集約する厚生労働省のシステム「HER―SYS(ハーシス)」も、47都道府県がホームページで発表する数値を、担当者が目視で確認して入力しているのが現状だ。

 金看板に掲げた「デジタル化」でつまずく菅政権。「神アプリ」の今後も含め、政府のデジタル政策は大丈夫なのか?と不安になるのは野党議員だけではない。

 ▼COCOAの不具合 昨年9月中旬、「感染の可能性がある」と通知が届いても、アプリを開くと「接触は確認されていない」と表示されるトラブルが発生。アンドロイド版では陽性者と接触があっても通知されない問題も起きていたが、厚労省は問題の把握に4カ月を要し、表面化したのは今月。iPhoneの一部でも同様の不具合が発生。18日には修正版が配布されたが、定期的に再起動しないと機能しないケースがあり、新たな問題が起きている。

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