人脈、調整能力、剛腕…森会長しかいない 辞任の意向も組織委慰留

[ 2021年2月6日 05:30 ]

東京五輪を巡る構図
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 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が女性蔑視発言を撤回し、一夜明けた5日も国内外で辞任を求める声が相次いだ。大会への影響も懸念される中、組織委内で「代わりがいない存在」と慰留を受けていたことが判明。トップの資質に疑問符が付いた人物を代えられない組織委にも、批判の声が上がりそうだ。

 国民が怒り、あきれた森氏の“逆ギレ謝罪会見”を受け、国際オリンピック委員会(IOC)が「問題は解決した」との声明で火消しを図っても辞任を求める声は高まるばかり。ただでさえコロナ禍で今夏の大会開催が危ぶまれているのに五輪組織委のトップの大失態により、逆風はさらに強まっている。

 そんな中、森氏が4日の会見前に失言の責任を取るため辞任を検討していたことが分かった。スポーツジャーナリストの小林信也氏は「森さんに“家を出る時には辞めることも考えた”と聞いた」という。だが、会見直前に組織委幹部らが慰留。「森さんでなければ7月の五輪開催は不可能」と説得され、続投の意思を固めたという。

 それにしても、組織委が国内外から集中砲火を浴びる森氏を守る理由は一体何か。小林氏は「無観客開催など多くの変更が想定される中、都道府県から海外も含む関係機関の間に入って調整し、決断を下せる人はそうそういない。IOCのバッハ会長ともうまくやっていた」と指摘する。

 大会関係者によると、実は組織委をまとめるのも至難の業だという。「組織委は都やJOC、関係省庁のほか、電通など民間企業から職員が出向している寄り合い所帯。利害関係の調整が難しく、元首相で自民党の重鎮の森氏だからうまく回すことができた」とした。森氏は今も自民党の最大派閥・細田派(旧清和会)に強い影響力を持ち、青木幹雄元官房長官や古賀誠元幹事長とも近しい関係。安倍晋三前首相が、森氏の意向に従う場面も多かった。

 昨年3月、五輪開催の延期が決まったIOCとの電話会談には、安倍前首相と官房長官だった菅義偉首相、小池百合子都知事、橋本聖子五輪相と同席。小林氏は「本来、組織委がいる場でない。森氏だから同席し、延期の決断に加わることができた」と強調する。

 関係者によると「森さんの続投が本線。もし退くことになったら“安倍マリオ”の安倍前首相や、クレー射撃で五輪出場経験のある麻生(太郎財務相)さんくらいしかいないのでは」との声も上がっているという。

 国民からそっぽを向かれた“失言王”。その剛腕に頼らざるを得ないところにも問題が横たわっている。

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