コロナ入院拒否で病院名公表、患者は罰則 無策のツケ“懲罰政策”

[ 2021年1月16日 05:30 ]

 菅政権は15日、厚生労働相や都道府県知事が新型コロナウイルス感染者の受け入れに協力するよう医療機関に「勧告」し、従わない施設の名称を公表できるよう感染症法を改正する方針を固めた。現在の「協力を求めることができる」から強化。政府・与党は18日召集の通常国会に提出、早期成立を目指す。

 国内病床数は150万床といわれ世界的にも多いが、感染者用の病床は6日現在で2万7650床で、欧米ほどの感染者数でなくとも病床が逼迫(ひっぱく)。政府は民間病院の受け入れが進んでいないのが一因とみて「勧告」対象は主に民間を想定している。

 厚生労働省によると、昨年11月末時点で、急性疾患の手術などに対応する急性期病院のうち、感染者受け入れが可能なのは公立71%、民間21%。民間は中小規模が多く、人工呼吸器などの設備や院内感染防止態勢が整っていない上、スタッフも不足。病院名公表という強硬策で受け入れ先が広がるか不透明だ。

 また、無症状や軽症の感染者が自宅やホテルでの療養を拒否したり無断外出した場合、自己負担での入院を知事が勧告できるよう改正。入院を拒んだり入院先を抜け出したりすれば、1年以下の懲役か100万円以下の罰金を科す方向で検討している。コロナ患者の入院費用は現在、公費で支払われている。

 そもそも自宅療養などの要請は限られた病床を重症者治療に用いるための策。入院が必要なのに入院できない事例も頻発し、東京都では原則入院の80代男性が自宅療養中に急変し死亡している。そうした中での軽症者などに対する強制入院のような措置に疑問の声が上がりそうだ。

 改正案では保健所が行う行動歴調査を拒否したり虚偽回答をすれば、6月以下の懲役または50万円以下の罰金とすることも想定。

 第1波に見舞われた昨年春には指摘されていた医療体制の脆弱(ぜいじゃく)性。しかし、安倍政権、その「継承」をうたった菅政権は医療資源や人材の再配分など体制再構築はやらずじまい。医療現場からは悲鳴が上がり続け、入院待機者があふれる――危機的な状況を招いた無為無策を棚に上げて相次ぎ出される“懲罰政策”。政府への不信感はさらに増幅しそうだ。

 ≪時短営業拒否なら過料≫政府は新型コロナウイルス特別措置法改正案で検討している過料に関し、緊急事態宣言下で50万円以下、宣言の前段階として新設する「予防的措置」では30万円以下とする方針を固めた。都道府県知事による営業時間短縮などの命令に従わない事業者に科す。知事が命令を出す際に可能とする立ち入り検査を拒否した場合の過料は20万円以下。自民、公明両党にそれぞれ18日に示す。関係者が15日明らかにした。

続きを表示

「ジャニーズ」特集記事

「騒動特集」特集記事

2021年1月16日のニュース