吉川元農相、在任中に大臣室で現金授受か 芋づる式広がりで菅政権激震も

[ 2020年12月3日 05:30 ]

 鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)グループの元代表(87)の現金提供疑惑で、元農相の吉川貴盛衆院議員(70)=自民=が農相在任中、大臣室で3回にわたり、計500万円を受け取っていた疑いがあることが2日、関係者への取材で分かった。

 関係者によると、吉川氏は安倍政権下で農相を務めた2018年10月~19年9月、元代表と大臣室や議員会館で少なくとも8回面会。うち3回は大臣室で会っており、この際に現金を渡された可能性がある。元代表は周囲に「業界のためだった」と提供を認めている。政治資金収支報告書への記載はなく東京地検特捜部が経緯の解明を進めているもようだ。

 吉川氏はこの日、党選対委員長代行など全ての党役職を辞めるとのコメントを発表。「国会審議と党運営に迷惑を掛けたくない」との理由で、二階俊博幹事長に二階派事務総長を退く意向とともに伝えたという。二階氏はいずれも受け入れた。先週、不整脈となり急きょ入院したという。

 北海道2区選出で6期目。経済産業副大臣や農水副大臣を経て農相に就任した。9月の総裁選時は、菅選対の事務局長も務めた。総裁選翌日にはツイッターで「最高の結果が出たのではないか」とつぶやいた。

 今回の捜査の端緒は昨年7月の参院選広島選挙区を巡る河井克行元法相夫妻の買収事件。検察当局は今年7月、関係先としてアキタ社を家宅捜索した。一方、元代表は、鶏卵業界に有利な政策実現のため農水省に影響力を持つ農水族議員らに働き掛けを続けており、他の複数の議員らにも現金を提供した疑いも出ている。

 1980年代のリクルート事件は川崎市助役への未公開株譲渡発覚から、90年代のゼネコン汚職事件は故金丸信・元自民党副総裁の巨額脱税事件の捜査の過程から、それぞれ多くの逮捕者を出す事態へと発展していった。

 吉川氏に現金が提供されたとされる時期は菅首相が官房長官を務めていたこともあり、野党は徹底追及していく構え。今後の捜査で芋づる式の広がりを見せていけば、二階派が支える菅政権が激震に見舞われる可能性もありそうだ。

 《国会招致要求も視野》立憲民主党の泉健太政調会長はこの日の記者会見で、現金提供疑惑を巡り、吉川氏の国会招致を要求することも視野に対応する考えを示した。「本人が全て包み隠さず明らかにし、説明責任を果たすことが大事だ。それがすぐに果たされないならば、国会招致も必要になる」と述べた。吉川氏が自民党の全ての役職を辞めると発表したことについては「やましいというか、問題認識を持っているのだと思う」と指摘した。安住淳国対委員長は党会合で、専門チーム設置を含めた問題追及の態勢を来週から整えると表明した。

 《北海道議・長男隆雅氏「遺憾」》吉川氏の事務所の大倉諭公設秘書はこの日、札幌市内で取材に対し、吉川氏が元代表から現金の提供を受けた疑いについて「驚いている。詳細を把握していないのでコメントできない。吉川氏本人とはまだ話していない」と語った。一方、吉川氏の長男吉川隆雅北海道議は同日、取材に「有権者に心配をかけて遺憾だ。内容は把握していないので、申し上げることはできない。身内としては潔白を信じており、(吉川氏は)証明してもらいたい」と話した。

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