“景気いい”クリスマスケーキ 忘年会中止で“特需”予約大幅増

[ 2020年11月29日 05:30 ]

Cake.jp「まるごとメロンクリスマスバージョン」(9800円)
Photo By スポニチ

 新型コロナウイルスの感染者急増を受け、東京都で28日、飲食店などへの営業時間短縮要請が始まった。年末の書き入れ時に多くの店の経営を直撃する一方で加速しているのは在宅需要だ。中でもクリスマスケーキを扱う企業は予約販売の状況が好調。聖夜を自宅で祝ったり、忘年会に使うはずだった予算をケーキに回す人が増えることが見込まれ“ケーキ(景気)”のいいクリスマスとなっている。

 クリスマスシーズン本番を前に、スポニチ本紙が28日までに複数の百貨店、洋菓子や小売りの大手チェーンにクリスマスケーキの予約状況を取材したところ、軒並み前年比を上回っていた。

 百貨店は10月から受け付けをスタート。大丸東京店は前年比でケーキの予約が現時点で約170%、西武池袋本店が約150%と伸長。東武池袋本店は重点を置くネット予約分が約190%に膨らんだ。老舗洋菓子チェーン「不二家」も既存店前年比約120%で好調。イトーヨーカドーはケーキ、料理を合わせたクリスマスメニューのネット経由の宅配注文が2倍強に増えた。

 今冬の第3波で1日あたりの新規感染者が過去最多を連日のように更新する中、百貨店関係者は「ストレスのかかる生活が続く中、自宅で楽しめるケーキで贅沢(ぜいたく)を楽しみたいという傾向がある」と語る。大丸東京店では「小さめリッチ」をテーマにした大人2人でも食べきれるサイズのホールケーキ(直経12センチ前後)が売れ筋。価格は3000~4000円台。1人当たりの単価にすると割高のように感じるが、前年より6割ほど予約が伸びている。不二家でも1万円近い「あまおう苺(いちご)たっぷりの贅沢クリスマスショートケーキ」(税込み9600円)の予約が前年に比べて約3割伸びた。

 忘年会の中止が相次ぐことも“特需”を後押し。ケーキ店関係者は「個人や企業の間で忘年会に本来使うはずだった費用をケーキの購入費に回す動きが広がっている」と話している。

 新たな様式として人気を集めるのは画面映えするケーキ。小売店関係者は「大人数が集まれないので、代わりに行うのはリモートパーティー。各自でケーキを買って自慢し合うという傾向もある」とする。ケーキ通販サイト「Cake.jp」ではクリスマスケーキの売れ行きは前年の3倍と大幅増で、中でも文字通りマスクメロン1個を使った映えるケーキ「まるごとメロンクリスマスバージョン」(税込み9800円)が1万円近い高額にもかかわらず人気だ。西武池袋本店でも東京マリオットホテルが作る「ノエル ショコラ バニーユ」(税込み6500円)など「リモート映え」する商品が初登場。担当者は「立体感があり、画面越しの相手も笑顔になる」とアピールした。一夜だけでも甘くて楽しい時間を求める人が多いようだ。(安田 健二)

 《ケーキ受け取りも3密避ける》12月23~25日は例年、ケーキの受け取りで混雑や行列が生まれることから3密を避けるためにさまざまな工夫が行われる。西武池袋本店は新たな試みとして予約購入者の受取時間を分散。東武池袋本店は宅配向けの冷凍ケーキを初めて販売した。また、イトーヨーカドーはホール型に加え、「あまいけいき監修 4大チーズケーキアソート」(税込み5400円)などあらかじめ切り分けられた商品を用意。「コロナ禍にあって、1つの物を数人でシェアする形を嫌がるのでは」との見込みがあったという。

 ▽日本のクリスマスケーキ 不二家が草分け的存在として知られており、創業者の藤井林右衛門が横浜元町に開業して1カ月後の1910年(明43)12月にクリスマスケーキを販売。当時は洋酒漬けフルーツケーキにクリーム状の砂糖衣をかけたものだった。ちなみにこの年は明治政府が天然痘の撲滅に乗り出した時期だった。その後、戦後には砂糖と小麦粉の統制が解除されたことで各地の洋菓子店にケーキ作りが広がった。一般家庭に冷蔵庫が普及し、イチゴと生クリームのデコレーションケーキをクリスマスに食べる日本特有の慣習が定着した。

続きを表示

この記事のフォト

「ジャニーズ」特集記事

「森七菜」特集記事

2020年11月29日のニュース