小池知事と国「GoTo」除外可否巡り“責任逃れ合戦” 専門家「個人の努力に頼るステージ過ぎた」
東京都では27日、新型コロナウイルスの新規感染者570人が確認され、過去最多を更新した。重症者も最多の61人となり、感染状況は日に日に深刻さを増すばかり。28日からは飲食店などで時間短縮営業もスタートする。そんな中、観光支援事業「Go To トラベル」の適用除外の判断を巡り、政府と都が、責任の押し付け合いで再び火花を散らしている。
都の感染者が500人を超えるのは今月21日以来。1カ月ごとの人数も8月の8125人を超えて最多となった。そんな中、小池百合子知事は定例会見で「Go To トラベル」から都を除外する可否について「(人の)出と入りをセットで考え国が判断すべき」との認識を改めて強調した。
「(感染)拡大地域への観光と、そうした地域からの旅行を止める必要がある。全国的な視点が必要」とした上で、トラベル事業の除外などは「最初から国が決める設計ではなかったのか」と、自治体の判断を求める政府対応を疑問視。記者からは「都民の命を守るため、知事から除外を進言しないのか」との質問も飛んだが、「国が判断すべき」との回答を5回繰り返し、意見を変えなかった。
一方、これに先立ち会見した加藤勝信官房長官は、小池氏の主張に「どちらがどうという議論自体があまり建設的ではない」と述べ、不快感をあらわに。「大事なのは、都道府県や市町村、政府が効果的な対応に取り組むことだ」と語った。
決断の責任を押し付け合う国と都。トラベル事業を巡っては、開始前の7月に小池知事が「ブレーキとアクセルを同時に踏むようなこと」と批判し、当時の官房長官だった菅義偉首相が「(感染は)東京問題」と応酬。その後、感染者の突出して多かった都全域が対象から除外され、10月に追加された経緯がある。
政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は27日、衆院厚生労働委員会で現在の感染状況について「個人の努力だけに頼るステージはもう過ぎた」と、行政による対策の必要性を求めた。だが、感染拡大が深刻化する局面で目立つのは責任を回避しようとするような言動ばかり。菅首相は会見を開かず、ぶら下がり取材でも新型コロナにほとんど言及しない。26日には、説明を求める記者の声を無視して立ち去った。責任逃れの末、取り返しのつかない事態となることだけは避けてほしいところだ。
《政府内の発言に小池氏イラッ》政府の新型コロナ対策を検証した「新型コロナ対応・民間臨時調査会」は27日、小池氏へのインタビューを同日実施したと明らかにした。小池氏は「ロックダウン」(都市封鎖)の可能性に触れた発言で緊急事態宣言の発令が遅れたとする政府内の意見に「驚いた。私のせいにするのはいかがなものか」と反論した。
2020年11月28日のニュース
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