ホテル明細書に安倍氏側「補てん」 特捜部、公設秘書ら聴取 差額分の立件可否検討 「桜を見る会」前夜祭

[ 2020年11月24日 05:30 ]

 安倍晋三前首相側が主催した「桜を見る会」の前夜祭で有権者に飲食代を提供したなどとして、政治資金規正法違反や公選法違反(寄付行為)の疑いで安倍氏らに対する告発状が出された問題で、会場だったホテル側が作成した明細書などがあり、安倍氏側が費用の一部を補てんした内容が示されていることが23日、関係者への取材で分かった。

 東京地検特捜部が、安倍氏の公設第1秘書や地元・山口の支援者らを任意で事情聴取したことも判明。安倍氏側が、ホテル側への支払総額と参加者の会費との差額分を負担した可能性があり、特捜部は立件の可否を検討している。

 前夜祭は第1秘書が代表を務める「安倍晋三後援会」が主催。2013年から19年まで、桜を見る会の前日に東京都内のホテルで開かれ、支援者らが1人5000円の会費で参加した。19年の参加者は約800人だった。

 告発状によると、1人当たりの飲食代が少なくとも1万1000円はするのに、参加者から5000円ずつしか徴収せず差額を提供した公選法違反の疑いがあるほか、後援会の政治資金収支報告書に収支を記載しなかった疑いがあるとしている。

 これまで安倍氏は、5000円の会費について「参加者の大多数が宿泊者という事情などを勘案し、ホテル側が設定した価格だ」などと補てんの疑惑を真っ向から否定。収支報告書への記載に関しても「ホテル側との契約主体は支援者である参加者だ。事務所の収入や支出は一切ない」と説明している。

 野党は主張の裏付けとなるホテルの明細書の提示を要求。「発行は受けていない」と繰り返す安倍氏に対し、自ら取り寄せるよう迫ったが、安倍氏は事務所に確認した結果としてホテル側が「営業の秘密」に関わることを理由に提供に応じないと釈明した。野党は猛反発し、発行しないケースはないとするホテル側の回答を基に明細書の提示を再度迫ったが、安倍氏は姿勢を変えることはなかった。

 第1秘書はこの日、取材に「何も知らないし何も言えない」と回答。安倍氏の事務所は「捜査に協力し、真摯(しんし)に対応している」とのコメントを出した。

 菅義偉首相は前夜祭が開催された13年から19年、安倍氏のもとで官房長官を務めた。与党内からは「菅首相にも影響が及ぶのでは」と懸念の声が上がった。

 ▼元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士 安倍氏は自ら指示を出していなくても、秘書が公選法違反容疑で立件され、その容疑事実を理解、黙認していたと証明されれば立件の可能性も。政治資金規正法違反は基本的には会計責任者が責任を負う。今の特捜部はインパクトが大きいと判断すれば、不起訴とするかもしれない。しかし、その後は検察審査会に舞台を移すだろう。聴取なしの不起訴処分は批判を招く。安倍氏からも話を聞くはずだ。

 《立民・枝野代表「深刻な事態」》立憲民主党の枝野幸男代表はこの日、那覇市内で記者会見し、東京地検特捜部が安倍氏の秘書らを事情聴取したことに関し「事実とすれば大変深刻な事態だ。犯罪の嫌疑があると検察当局が認めた。政治倫理の問題として問いたださなければいけない」と強調した。国民民主党の玉木雄一郎代表は取材に「これまでの説明と矛盾する事実が捜査で明らかになるのなら、安倍氏は国会で真実を語るべきだ」と述べた。一方、与党幹部は取材に「菅政権の支持率にどう影響が出るかを注視する必要がある」と警戒感を示した。

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