大塚家具、久美子社長12・1付で辞任 お家騒動で業績回復遠く…経営もイメージも悪化

[ 2020年10月29日 05:30 ]

大塚家具を巡る過去のお家騒動の構図
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 ヤマダホールディングス(HD)傘下で経営再建中の大塚家具は28日、創業者の娘の大塚久美子社長(52)が12月1日付で社長を辞任すると発表した。これまでの経営悪化の責任を明確にするため、本人から申し出があり、取締役会が受理した。後任は大塚家具の現会長でヤマダHD社長の三嶋恒夫氏(61)が会長職と兼務する。大塚家具の社名は変更しない。

 経営方針を巡って、創業者である父・勝久氏と対立した“お家騒動”で世間を騒がせた久美子氏が、ついに辞任することになった。経営悪化の責任を明確にするため、久美子氏本人が辞任を申し入れ、28日に開かれた取締役会がこれを受理した。会員制の販売スタイルからカジュアルな店舗への転換を図ることで経営再建を目指したが、ついに力尽きた。

 2009年3月に勝久氏の後任として社長に就任したが、業績不振を理由に14年7月に解任。15年1月に再び社長に就任すると、高級家具を扱う戦略を巡り、勝久氏との対立が表面化。勝久氏が社長解任を求める株主提案に打って出ると、同2月には久美子氏が取締役会で勝久会長(当時)の取締役退任人事を決定した。結局、同3月の株主総会で、久美子社長の続投と勝久会長の退任が決まったが、大塚家具のブランドイメージは悪化した。

 その後も勝久氏が別ブランドの家具メーカー「匠(たくみ)大塚」を開業するなど、ゴタゴタは続いた。並行してニトリやイケアといったライバルとの競争にも苦戦し、経営は悪化の一途をたどった。経営不振からの脱却を狙い、昨年12月にヤマダ電機(現ヤマダHD)の子会社となったが、久美子氏は社長を続けていた。

 こうした中、大塚家具はヤマダの店舗での家具販売を拡大したほか、大塚家具の店舗でもヤマダから仕入れた家電の本格的な取り扱いを開始。コロナ禍での“巣ごもり需要”も追い風となった。大塚家具が28日公表した21年4月期業績予想(単体)では純損益が28億円の赤字で5期連続の赤字になると見込んだが、前期から赤字幅は縮小する。

 大塚家具は「抜本的構造改革を期中に終える予定で、来期の黒字化に向けて道筋がつきつつある」とのコメントを発表。経済ジャーナリストの松崎隆司氏は「経営再建への道筋がつき、ケジメをつけるということでしょう。本来なら、もっと早く辞めるべきところですから」と厳しい見方を示した。久美子氏は今後、ヤマダや大塚家具を外部からサポートしていく見通し。“お家騒動”のゴタゴタが、結局は“自滅の刃”となってしまった。

 《皮肉…株価ストップ高水準》大塚家具は今後、新体制で家具と家電の販売による相乗効果を高め、経営立て直しを加速させる。28日の東京株式市場では、新興市場ジャスダック上場の大塚家具株が急伸した。終値は、値幅制限いっぱいのストップ高水準に当たる前日比50円(33・1%)高の201円。大手証券関係者は「経営混乱を起こした久美子氏が辞任し、ヤマダHDのビジネスモデルの中で新しい成長軌道に向かうと期待した買いが入った」と話した。

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