「鬼滅」グッズ 鬼より手ごわい!?“偽滅”の戦い 次々と出現 怪しい模倣品の数々

[ 2020年10月26日 05:30 ]

携帯電話風アイテム
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 アニメ「鬼滅の刃」が社会現象化する中で、作品を象徴する「緑と黒の市松模様」などをあしらったコラボグッズが人気を集めている。一方で、この柄を使って関連グッズを装うような模倣品も多く出回っている。これに対して原作漫画の出版元・集英社は、市松模様などを商標登録する異例の動きを見せている。はたして偽物を滅ぼすことはできるのか…。 (岩田 浩史)

 劇場版の記録的ヒットもあり「鬼滅」のコラボグッズは約70件まで急増。主人公竈門炭治郎(かまど・たんじろう)らの図柄入りの食品や日用品が身の回りにあふれている。

 ただ、中にはどこか雰囲気の違う物もある。炭治郎の羽織に似た「緑と黒の市松模様」があしらわれてはいるが「鬼滅の刃」のロゴや(c)マークがない模倣品だ。ゲームセンターや雑貨店に入れば「鬼退治」というミニイヤホンや、「滅」の文字だけが入ったサイフやポーチ、マスクなどが見つかることもある。

 「鬼退治イヤホン」を扱うショップ店員によると「以前からあるが、映画のヒットで凄く売れている」という。東京・秋葉原で「滅サイフ」を見た40代の主婦は「本物と間違う人もいるかも。買う人がパロディーと納得すればいいのではないか」と話す一方で「娘が本物と間違えて買ったらかわいそう」と表情を曇らせた。

 ただ、これらの多くが商標や著作権の侵害に当たるとは言い切れない。知的財産権に詳しい藪田崇之弁護士によると「市松模様もこの程度なら一般的な柄といえる。また、集英社は『鬼滅の刃』の文字列とロゴは商標登録したが、鬼・滅・刃の漢字を個別に使う分には問題ない」という。

 メガヒットにより、緑黒の市松模様に「鬼・滅・刃」といった漢字を一文字でも入れれば「鬼滅」を連想する心理があると認めたが「コラボや公式商品と誤認するレベルには達していない」と指摘した。

 こうした背景から、集英社は6月「緑黒の市松模様」など作品の主要キャラを象徴する模様6種を商標出願した。ただ既存の模様の出願は異例で、ネット上では「伝統的な和柄を独占するのは横暴だ」と批判が上がっている。同社は本紙の取材に「ファンが意図に反して悪質な模倣品を入手する被害を防ぐためで、個人で楽しむ活動まで制限する意図はない」と強調した。

 柄はどれも一般的な和柄で「商標登録は難しい」との見通しが強い。だが、ツイッターでは「鬼滅のヒットで、緑と黒のチェックの服が着にくくなった」との投稿が多くの賛同を集めるほど、作品と柄をつなげて考える人が増えている。藪田氏は「小さな文房具に限っては登録を認めるなどの判断が出る可能性はある」と指摘する。認可の可否は約1年かかるとされ“偽グッズ”との長い戦いが続きそうだ。

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