モリカケなど批判される側になったら…菅首相、新書から消えた「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然」

[ 2020年10月21日 05:30 ]

 外遊中の菅義偉首相が野党時代の2012年に刊行した単行本「政治家の覚悟」(文芸春秋)を改訂した新書が20日、発売された。公文書管理の重要性を訴えていた章が削除された。「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然」などと記述したものだったが、新書ではその部分の記録は残さなかった格好だ。

 削除されたのは、旧民主党の政権運営を批判した単行本の第3章と第4章。第4章では、東日本大震災への対応で議事録が残されていなかったことに触れ「議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」と指摘。「歴史的な危機に対処していることへの民主党政権の意識の薄さ、国家を運営しているという責任感のなさが如実に現れています」と記していた。

 削除部分の代わりに、官房長官時代のインタビューを追加掲載。文春新書編集部は改訂について「特定の文言の削除を意図したものではない。本の総ページ数など全体のバランスを考え、編集部の判断で割愛した」としている。

 安倍政権では森友、加計学園や「桜を見る会」の問題を巡り、公文書のずさんな管理が浮き彫りになった。首相は官房長官だった17年の記者会見で、加計学園問題に関連して「議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為だ。(本に)そういうことを記したのはどなたかご存じですか」と質問されて、「知りません」と平然と答えていた。

 安倍政権からの“負の遺産”と指摘されるのが「臭い物にふたをする強権政治」(野党幹部)だ。「桜を見る会」は中止によって疑惑を葬った。日本学術会議の任命拒否問題も、なぜ6人の候補だけ選ばれなかったのか明確な理由を説明しようとする動きはない。立憲民主党の枝野幸男代表はこの日「菅政権がしっかりと記録を残す意思を持っていないことを示した」と批判。一部書店の中には「本の意味は歴史に残すこと」と過去の記述を削除したことに反発する声があり、この新書の取り扱いをやめる動きもある。

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