トンネル工事現場上の“道路が陥没” 穴埋めても住民に広がる不安の声

[ 2020年10月20日 05:30 ]

工事の影響により亀裂が入ったとみられる住宅(撮影・岸 良祐)
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 東京都調布市の東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事現場上で18日に道路が陥没した問題で、東日本高速道路は19日、原因究明に向けた学識経験者による検討委員会を開催した。原因は依然として不明で、周辺住民の間では不安が広がっている。

 検討委員会では地盤状況の確認や地下水の成分を分析して原因を調査する方針を確認。同社は現時点で工事との因果関係は不明としつつ、判明するまでは工事を中断する。

 現場は調布市の住宅街の市道で、18日午後0時15分ごろ、陥没していると110番があった。穴は一部住宅敷地にまで及び長さ約5メートル、幅約3メートル、深さ約5メートル。工事関係者が穴埋めの作業をした。付近で地下40メートルより深い地点をシールドマシン(直径約16メートル)で掘削する工事が行われ、陥没地点は9月14日に通過していた。

 原因は不明のままだが、住民らは夏頃から異変を感じていた。現場から約30メートル離れたところに住む主婦(78)は「8月ごろに1、2分続く揺れを感じるようになり、9月には家の外壁が崩れた」。近隣では不安が募り体調を崩す人もいたといい「いつ、どこで陥没が起きるか分からない。地下での工事は見えないから余計に不安。今日のような強い雨の影響も心配」と表情を曇らせた。

 60歳代の主婦の自宅は現場から約20メートル。道路の縁石と庭部分の間にある隙間が3倍以上に広がったという。「振動に加え異音もあった。いつ家が落ちるか分からない。歩いている時に穴ができて落ちる可能性だってある」と話した。

 住民によると、工事関係者は道路の沈下の有無を確認する測量を毎日実施。18日は現場周辺の沈下量が5、6ミリに達したことから、陥没前に周辺住民7、8世帯に対して避難を促していた。「正午頃に知らせが来た」と話す住民もいる。東日本高速道路は24時間態勢の巡回監視を続けている。

 それでも不安は拭えない。現場から約300メートルの家に住む主婦(42)は「工事区間から少し離れているものの夜も眠れない。気が気でない」と原因不明のままの夜を迎え、恐怖心をさらに強めているようだった。

 《6月には横浜でも》トンネル工事が原因とみられる道路の陥没は最近では6月に横浜市でも発生。相鉄・東急直通線の工事が直下で行われていた市道で、12日に続き30日にも約300メートル離れた地点に穴ができた。いずれも調布の事例同様、シールドマシン(直径10メートル)による掘削工事は終了していた。

 ▽東京外郭環状道路 東京都心から約15キロの距離を環状に通る。延長約85キロで、都心の慢性的な渋滞を緩和する効果が期待されている。大泉ジャンクション(JCT、東京都練馬区)と高谷JCT(千葉県市川市)の約49キロが開通済み。現在は関越道と東名高速を結ぶ約16キロを建設中。住宅密集地を通るため、大部分は地下40メートルより深い「大深度」と呼ばれる地下空間を利用する。

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