弁護士は「悪用減る」と…婚姻・離婚届、はんこ廃止検討 オンライン化で電撃離婚増える?

[ 2020年10月10日 05:30 ]

 行政手続きのはんこ使用廃止を進める政府が婚姻届と離婚届の押印廃止も検討していることが9日、分かった。上川陽子法相がこの日の記者会見で表明。「婚姻届や離婚届の押印も含め、さまざまな行政手続きがあるので、そのオンライン化を進めていく」と述べ、普及に努める考えを示した。一般市民の生活に直結する手続きだけに、これには賛否両論の声が上がっている。

 法務省によると、婚姻届や離婚届は認め印でも受理されることから廃止が可能と判断。戸籍関係のオンラインでの届け出は2004年4月から制度上可能だが、現時点で導入している市区町村はないという。導入した場合の本人確認は電子署名や電子証明書で行う。

 押印廃止に向けて、自治体からは「虚偽の申請や成り済ましが増加しないよう安全対策を取る必要がある」など不安も漏れる。

 一般的に押印は本人証明というイメージがあるため廃止によって、詐欺目的の偽装結婚や高齢者の資産を狙った“後妻業”を助長するのではといった懸念がある。だが、実際に押印は形式的なものに過ぎず、現在の婚姻届・離婚届はどこででも手に入る認め印でも提出することが可能だ。

 嵩原安三郎弁護士は「印鑑での本人確認は実は全く意味をなしていない」と指摘する。現状でも第三者による、成り済ましを防げていないという。むしろ押印の廃止を機にオンライン化が進むことで「銀行口座で利用されているようなワンタイムパスワードや、マイナンバーカードとの認証を行うことで本人確認の精度が上がる。悪用が減る」と強調。利点が多いとの見方を示した。

 一方で、オンライン化で手続きが簡易になり、ネットでは「離婚率が急上昇するのでは」との声も上がる。離婚カウンセラーも「離婚届は、押印が心理的な“防波堤”になって思いとどまるケースがある」とした。離婚届は「元々時間をかけずに書く傾向が強い」というだけに“オンライン電撃離婚”が増えないことを願うばかりだ。

 《本人確認の方法が課題》国がはんこ使用廃止を加速させていることを受け、全都道府県と、東京を除く道府県庁所在市の計93自治体の8割近くが既に廃止方針を決めたり、廃止を検討したりしていることが共同通信の調査で分かった。住民の負担軽減や事務の効率化につなげる狙い。オンライン処理と組み合わせて窓口での接触を減らせば、新型コロナウイルスなどの感染リスク低下も期待できる。一方で押印に代わる本人確認の方法を多くの自治体が課題に挙げた。

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