芸能人の顔使い偽ポルノ動画で初逮捕、大学生と47歳SE 世界中で問題「ディープフェイク」

[ 2020年10月3日 05:30 ]

 人工知能(AI)技術を使って女性芸能人のわいせつ動画を無断で作成しインターネット上に公開したとして、警視庁保安課は2日までに、名誉毀損(きそん)と著作権法違反の疑いで熊本市中央区の大学2年林田拓海容疑者(21)と兵庫県三田市のシステムエンジニア大槻隆信容疑者(47)を逮捕した。ともに容疑を認めている。

 「ディープフェイク」と呼ばれる精巧な偽動画で、アダルトビデオ女優の画像と合成していた。こうした偽動画に関連した事件の摘発は全国で初めて。国内では、同種被害が確認された芸能人が昨年から約200人に上り、3500本以上の動画があるという。

 ディープフェイクは、AI関連の先端技術「ディープラーニング(深層学習)」と「フェイク(偽物)」の合成語。極めて精巧で、女性の顔をすげ替えたポルノビデオがまん延し世界的に深刻な問題になっている。米国ではトランプ大統領やオバマ元大統領もターゲットになっており、実際には発していないメッセージが広まるなど深刻な影響が出ている。米ハリウッドでは映画製作の最新技術としても活用されている。

 日本ではディープフェイクを規制する法律は現時点ではない。ネット上には今も、映画やドラマで主演級の女優やトップアイドルの顔を使った偽ポルノがあふれており、早急な対策が求められる。

 林田容疑者の逮捕容疑は昨年末~今年7月ごろ、芸能人2人の偽のわいせつ動画を公開した疑い。約40人の偽動画250本以上を作成、大半を有料サイトで公開し約80万円を得たという。「少しでも金をもうけたかった」と供述している。

 大槻容疑者の逮捕容疑は今年3~7月、芸能人2人の偽のわいせつ動画を公開した疑い。約80人の偽動画1000本以上を作成し「顔画像を約3万枚集め、AIに100万回ほど学習させて作成した。約10分の動画を作るのに1週間ほどかかった」と説明している。2人はネット上では「ディープフェイク職人」と呼ばれていた。

 《音事協「法的措置講じる」》芸能事務所でつくる日本音楽事業者協会は「ディープフェイク」が摘発されたことを受け「被害は非加盟社の所属タレントにも及び、芸能界全体の問題として看過できない事態だ」とし顧問弁護士のコメントを発表した。
 コメントは、摘発を「重要な一歩」と位置付け「(芸能)プロダクションの共有するパブリシティー権を侵害するものであり、プロダクションに対する信用毀損、業務妨害罪を構成するとの観点から責任追及していく」との姿勢も示した。また、警察の捜査に協力したことを明かした。
 この声明に賛同している芸能プロ「エヴァーグリーン・エンタテイメント」は「アーティストに直接・間接的な被害をもたらす可能性がある全てのことに対し、専門の法務法人とともに、可能な全ての法的措置を講じる所存です」としている。

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