首相補佐官に柿崎明二氏 異例のマスコミ出身 菅氏と同郷「永田町で最も信頼する一人」

[ 2020年9月30日 05:30 ]

 菅内閣は29日、首相補佐官に共同通信社前論説副委員長の柿崎明二氏(59)を充てる人事を決定した。菅首相と同じ秋田県出身。10月1日付で就任し、政策の立案と検証を担う。9月30日付で共同通信社を退職する。首相官邸によると、国会議員を経ずに報道機関出身者が首相補佐官に就任するのは初めて。加藤勝信官房長官は記者会見で「これまでの知識、経験を踏まえて政策全般について評価、検証、改善すべき点について、必要に応じて首相に進言を行っていただく」と述べた。

 TBS「ひるおび!」やフジテレビ「とくダネ!」などに出演し政治を解説してきた、お茶の間でもおなじみの政治記者。森友・加計学園問題や「桜を見る会」問題を巡っては、安倍政権の責任を厳しく追及。“アベイズム”の継承を掲げる菅政権を支える立場になることは一見すると意外に映るが、自民党関係者は「無派閥の菅首相にとって、柿崎氏は元々、永田町で最も信頼する一人。さまざまなことを相談するブレーンだった」と語る。政界関係者は「テレビでのコメントで安倍政権はバッサリ斬っても、菅氏には優しいところは出ていたように感じる」と振り返る。

 菅氏は安倍政権を支えた官房長官時代、「政権が世の中にどう映っているのか」など、世論の動向を柿崎氏に相談していたという。また永田町関係者は「今回の総裁選についてのさまざまなことも全て柿崎氏に相談していたようだ」と語る。菅氏は補佐官就任の打診を政権発足直後に行ったとみられ、柿崎氏の残務整理が終わったこのタイミングでの発表となったようだ。党関係者は「柿崎さんは、安倍首相をブレーンとして支えた首相補佐官の今井尚哉氏のような存在になるのではないか」と話している。

 永田町には「ジャーナリストの田崎史郎氏のように政権との距離を生かしたコメンテーターになれば菅さんにも良いのに」との声もあるが、テレビ関係者は「柿崎さんは“菅政権ができたとしてもポスト田崎にはならない。その時には卒業する”と宣言していた。近くで支える決意があったのでは」と話す。

 官邸周辺では「記者としての実績はあっても政治の実務は未知数」とのささやきもある。裏方としてどんな力を発揮するのか注目される。

 ▽首相補佐官 内閣官房の官職の一つで、特定の重要政策の企画や立案に当たる。定員は5人以内。現在は3人で、木原稔氏と和泉洋人氏は再任。新たに任命された阿達雅志氏は無派閥で菅氏を支持するグループに所属している。木原氏が国家安全保障、和泉氏が国土強靱化(きょうじんか)、阿達氏が経済・外交を担当する。

 ▼政治評論家有馬晴海氏 柿崎氏の起用は「敵を味方に引き込めば、強い力になる」という人事の見本。政策を国民や報道機関がどう見ているか情報収集したり、報道機関全体に目を光らせる狙いがあるのでないか。一方で、菅氏のウイークポイントとされる発信力の強化もできるかもしれない。

 ◆柿崎 明二(かきざき・めいじ)1961年(昭36)生まれ、秋田県横手市出身の59歳。早大第一文学部卒業後、毎日新聞社に入社。88年、共同通信社に入社。大阪、仙台編集部などを経て92年から政治部記者として首相官邸、自民党、民主党、外務省などを担当。「検証 安倍イズム――胎動する新国家主義」(岩波新書)などの著書がある。

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