故中曽根氏“葬儀代論争”…税金から9643万円、加藤官房長官「先例など勘案、必要最小限」

[ 2020年9月29日 05:30 ]

 昨年11月に死去した故中曽根康弘元首相(享年101)の内閣と自民党による合同葬の経費約9643万円を巡り、論争が繰り広げられている。

 加藤勝信官房長官は28日の記者会見で「元総理の功績、過去の先例などを総合的に勘案して執り行うことにした」と説明。その上で「新型コロナウイルス対策に万全を期す観点から積み上げた。必要最小限だ」と述べ、当該経費は妥当だと強調した。「内閣と自民党での折半を想定している」とも説明。全体の費用は約2億円に上るとみられる。

 立憲民主党の蓮舫参院議員は、自身のツイッターで「内閣と自民党の合同葬に税金を支出。税金で納得してくれますか?」などと批判。ほかにも、ネット上は政府対応を非難する書き込みが目立っている。

 政府は25日の閣議で、内閣・自民党合同葬の経費として9643万円を2020年度一般会計予備費から支出することを決定。この日、加藤官房長官が説明を行ったのは、さまざまな批判を受けてのものだった。

 合同葬は10月17日午後2時から東京・高輪のグランドプリンスホテル新高輪で実施され、葬儀委員長は菅義偉首相が務める予定。一般参列は想定されていない。加藤氏は、経費の内訳として会場の借り上げなどを挙げ「簡素なものにした」とも説明。今年度補正予算で計上したコロナ対策費ではなく、一般的に使用できる「当初予算の予備費を活用する」ことも付け加えた。

 合同葬は歴代首相が行っており、中曽根氏は07年の宮沢喜一氏以来、13年ぶり。近年の合同葬経費を比較すると06年の橋本龍太郎氏が約7700万円、宮沢氏も約7700万円。今回は新型コロナ対策で約2000万円が増額された形だ。

 中曽根氏は日本最高位の勲章である大勲位菊花章の受章者。同章受章者は、吉田茂元首相、佐藤栄作元首相に次ぐ戦後3人目で、吉田元首相は1967年に国葬を行い、佐藤元首相は75年に国民葬を行っている。以後、国葬・国民葬は行われておらず、中曽根氏は「この2人に準じた対応とすべき」というのが賛成派議員の声だ。だが、河野太郎行革相がはんこ使用をやめるように呼び掛けるなど“あしき前例主義の打破”を掲げる菅政権。前例を重んじる姿勢にはダブルスタンダードとの批判が上がる。

 ▼共産党小池晃書記局長 国民の感覚からかけ離れている。前例主義を打ち破り、見直すべきだ。コロナに配慮するなら、オンラインなど簡素化すべきだ。

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