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通天閣など大阪観光地に連休の賑わい…黒門市場は閑散「中国、台湾からの観光客が戻らないと」

[ 2020年9月20日 15:53 ]

 4連休2日目の日曜日となった20日、大阪の街も人出でごった返した。心斎橋からなんばに続く戎橋筋や、日本一長い天神橋筋商店街、大阪のランドマーク・通天閣では朝から人の波で賑わった。

 天神橋筋商店街では「連休に入って6、7割の人出。きょうは忙しいね」とたこ焼き店の男性従業員も笑み。人気の寿司店、天ぷら店は、昼時には長蛇の列ができた。通天閣では入場者が入り口で待つ姿も。石川県小松市から中学時代の同級生6人で大阪観光に訪れた吉村弘さん(68)は「仲間とGOTOトラベルを使って来ました。これから串カツを食べに行きます」とニンマリ。東京から訪れた30代会社員の女性2人組は「GOTOではないけど、旅行がしたくて。大阪の方がマスク率、高くないですか?」と語った。

 一方、大阪のミナミの黒門市場は対照的に人影も疎ら。店舗も半分以上が閉めている状況で「開けても客は2、3割いるかな?ダメだね」と肉料理店の店主は弱り顔。売り上げは昨年同期の1割にも満たないそうだ。

 創業50年以上の高級鮮魚「魚福」の経営者・佐野仁一さんは「ご覧の通り。日曜日に店を閉めてる人も多いし、お客さんもいない」と嘆いた。黒門市場は食材を豊富に揃える『なにわの台所』として栄えたが、約10年ほど前から、観光客相手に鮮魚を焼くなど調理して提供するタイプが増え、休日だけでなく平日でも大勢の客が競って肉、魚、フルーツなどを食べ歩きする姿が見受けられた。

 だが、コロナ禍で観光客は激減。特に入国制限で一番の客だった中国人、韓国人ら外国人観光客が皆無に。『インバウンド偏重』のツケが回って、廃業する店も出た。「魚福」も5年前からスタイルを変えて観光客相手の店として繁盛したが、4月1日から9月18日まで休業。お得意先への小売りだけにしていた。連休初日の19日から土日のみ店頭販売を再開したが「東京からのお客さんにも期待してますが、中国、台湾からの観光客が戻らないうちには何ともならない」と佐野さん。10月1日からの東京のGOTO緩和以上に、インバウンドが戻ってくることを願っていた。

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2020年9月20日のニュース