岸田氏に票分け“施し案” 世論調査劣勢も「2位になれば次に目を残せる」 狙いは“石破つぶし”狙う

[ 2020年9月9日 05:30 ]

自民党総裁選

演説する岸田文雄氏(撮影・西海健太郎)
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 自民党総裁選が8日、告示され、菅義偉官房長官、石破茂元幹事長、岸田文雄政調会長の3氏が立候補を届け出た。14日に投開票され、安倍晋三首相の後継総裁が決定する。国会議員票、地方票ともに菅氏が圧倒する中で「岸田氏に票を分けよう」という“施し案”が出るなど党内情勢を左右する2着争いがヒートアップ。党所属議員の注目は今後の人事に移っている。

 東京・永田町の党本部で行われた立候補者演説会。菅氏は勝負カラーの黄色のネクタイ姿で「首相は道半ばで退かれた。悔しさを推察すると政治的空白を作ることはできない」と力を込めた。

 5派閥と無派閥議員約30人の支援を受け、党所属の国会議員票の約7割を固め、地方票も約6割を獲得する見通しとされる。圧勝ムードの中で、党幹部らから漏れてきたのは岸田氏への“票分け”だ。すでに党幹部らが見据えるのは“次の次の総裁”。永田町では菅氏について「ワンポイントかと思われたが、この優勢ムードで次の任期3年をプラスして4年やるつもりだろう」とみられている。4年後に菅氏は75歳。「首相の座を譲っても不思議ではない」とされ「宏池会の会長で岸田派を率いる岸田氏に挑戦の余地を残せるようにすべきでは」の指摘が党内で上がり始めた。

 「2位になれば次に芽を残せる」と岸田氏周辺では次点を目指す動きが活発化。3位なら政府・党内ともに役職のない“無役”になるとみる関係者は多い。朝日新聞が7日に発表した世論調査によると、岸田氏を「次の首相のふさわしい人」としたのはわずか6%。菅氏の48%はおろか、石破氏の27%にも及ばない。石破氏が2位なら「菅氏への不満票がかなり集まったとして、石破氏の影響力が残る。岸田氏に2位になってほしい」と語る自民党議員もいる。

 森喜朗元首相も7日に「安倍さんの本心は岸田さんだ。しかし周りが(菅氏で)納得する空気になって、乗らざるを得なくなった」と援軍のコメントを出していた。党内の“石破つぶし”の側面からも“施し案”が進む。

 14日の投開票で菅氏に続く2位は誰になるのか。岸田氏へどれほどの票が回るのか、まだまだ生臭い駆け引きは続きそうだ。

 ▽自民党総裁選の仕組み 党則に「総裁が任期中に欠け、特に緊急を要するとき」は、党大会に代わる両院議員総会で後任を選ぶことができる規定がある。この場合、党所属国会議員1人1票と47都道府県連3票ずつで投票される。国会議員票が394票、都道府県連票が141票。いずれも有効投票の過半数を得た候補がいなければ、上位2人の決選投票になる。立候補には推薦人20人が必要となる。

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