コロナ?熱中症?症状酷似でどちらか区別困難 高校サッカー部クラスターで不安現実に

[ 2020年8月13日 05:30 ]

 新型コロナウイルス感染によるクラスターが生じた松江市の立正大淞南高が11日に対応の遅れについて「熱中症もあるかもしれないと思った」としたことで12日、医療関係者の間で波紋が広がった。新型コロナと熱中症の症状が酷似しているとして、夏の到来前から混乱の懸念が指摘されていたため「危惧していたことが起き始めた」との声が上がっている。

 同高の8日に最初に感染が判明したサッカー部員には5日夜に38度の発熱があった。平熱に戻ったため6日に登校したが早退。7日に味覚、嗅覚障害の症状が出た。6日の時点でサッカー部員19人に発熱などの症状が出ていたが、学校側は熱中症かもしれないと様子を見たという。結果的に熱中症を疑ったことで対応が遅れ、100人もの感染拡大へとつながったとみられる。こうした事例は、今後も増える可能性がある。

 新型コロナも熱中症も、発熱、倦怠(けんたい)感、頭痛などの似た症状が多い。決定的な違いは、新型コロナの場合、さらにせきや味覚・嗅覚障害の症状が出ることだ。だが、7月以降の全国的な感染拡大では無症状や軽症者が多く、味覚障害などの症状がないケースも多い。このような傾向も、熱中症との混同に拍車を掛ける。

 コロナに似た症状の患者が増えれば病院側の負担も増加し、混乱も高まることが懸念されるが、医療関係者は「それよりも最も問題なのは、新型コロナに感染しているのに、熱中症だと自己判断するケースが増えることだ」と指摘。患者は熱を逃がすためにマスクを外してクールダウン。そこへ家族が熱中症だと信じて看病した場合には「密」になりやすく、家庭内感染につながる可能性が高いという。また、新型コロナも一時的に熱が下がる場合があるだけに、熱中症が治まったと思って普通の生活に戻れば今度は市中感染のリスクが高まる。

 西武学園医学技術専門学校東京校校長で医学博士の中原英臣氏は「どちらなのか分からなくても、症状があるのであれば、自己判断せず、とにかく医療機関に行くこと」と強調。「点滴をすれば熱中症はすぐ快方に向かう。新型コロナが疑われるのであれば、医者が適切に対応する」と“知ったか自己診断”の厳禁を口にした。

 《淞南高で新たに2人感染、対戦校は全員陰性》松江市は12日、立正大淞南高の男子生徒2人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。同校の生徒や教員の感染は97人、島根県内の感染確認は132人になった。

 香川県は12日、立正大淞南高サッカー部と今月上旬に練習試合や合同練習をした県立高4校の部員や教員らにPCR検査をした結果、全員陰性だったと発表した。対象者は166人に上った。

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