香港“民主の女神”周庭氏、欅坂「不協和音」が支えに 拘束中「頭の中で歌詞が流れていた」

[ 2020年8月13日 05:30 ]

 香港国家安全維持法(国安法)違反の容疑で10日に逮捕され、11日夜に保釈された香港の民主活動家、周庭(しゅう・てい)氏(23)が記者団の取材に応じ、拘束中に欅坂46のヒット曲「不協和音」が支えになったことを明かした。また、インターネット上などで送られた日本からの応援の声に感謝。しかし、保釈後も取り調べは続く予定で、今後も「民主の女神」には厳しい道が待ち受けている。

 保釈後、警察署の外で報道陣に対応した周氏は疲れた表情で広東語と英語、日本語で会見。流ちょうな日本語では「拘束されていた間に日本の皆さんから応援や支持を頂いたと弁護士に聞いた。ありがとうございました」と頭を下げた。

 小学校の頃に日本のアニメやアイドルが好きになり、独学で日本語を覚えた。拘束という厳しい状況で支えになったのも日本の歌だった。

 「これまで香港の社会運動に参加してきて4回逮捕されたが(今回が)最も怖かった。起訴されるのかどうか分からないが、パスポートも没収された」と緊迫した時間を振り返った。そんな中で「“不協和音”の歌詞が頭の中で流れていた」と日本のアイドルグループ「欅坂46」のヒット曲が心に寄り添っていたことを明かした。

 「不協和音」はアイドルグループらしからぬ歌詞で知られる曲。♪僕はYesと言わない 首を縦に振らない――。NHK紅白歌合戦などでも歌われ、センターを務めていた平手友梨奈(19)らメンバーが激しいダンスと感情表現による消耗のあまり倒れてしまうこともしばしばだった。

 周氏はこれまでも「不協和音」を支えとしてきた。2017年香港返還20周年の時にデモ隊と記念公園に立てこもったことで警察に30時間拘束された時も「拘置所でこの歌を歌っていた」と、後日のインタビューなどで明かしていた。今回の逮捕については「どういう理由で国安法違反に問われたのか分からない。国安法は政治的弾圧に利用するためのものだと思う」とし、さらに香港の民主化運動のために闘っていく決意を表明した。

 香港のテレビ局TVBによると、中国に批判的な香港紙、蘋果日報などのメディアグループ創始者で民主派の大物、黎智英氏ら他の男性2人とともに、インターネット上で外国政府が香港に制裁を加えるよう働き掛けた容疑とされる。香港警察は10日の発表で、容疑事実が6月30日の国安法可決後も行われていたと強調していた。

 《中国紙は周氏を非難》中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は12日、周庭氏の逮捕を「香港独立分子」との見出しで報じた。人民日報海外版は、周氏が保釈後に取材に応じ、拘束中に「欅坂46」の曲を思い浮かべていたと語ったことに触れ「(周氏は)日本の反中的な政治家にひざまずく、暴力的で無能な、外国にこびる人物」と非難した。

 ▽不協和音 2017年4月、欅坂46の4枚目のシングルとして発売された。秋元康氏が作詞、バグベアが作曲。オリコンの週間チャート1位、年間チャートで8位を記録。同年のNHK紅白歌合戦で披露すると、元メンバーの平手友梨奈ら3人が過呼吸で倒れ、昨年の紅白で再挑戦した。曲中に「僕は嫌だ」のセリフがあることでも知られている。

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