安倍首相、49日ぶり会見も質問限定 国民に判断丸投げ お盆の帰省「十分注意してほしい」のみ

[ 2020年8月7日 05:30 ]

 安倍晋三首相は6日、広島市内で記者会見し、新型コロナウイルスの感染再拡大に関連して、お盆の時期の帰省自粛を求めなかった。「高齢者の感染につながらないように十分注意してほしい」と呼び掛けるにとどめた。

 安倍首相が一定の時間を割いた記者会見を行うのは、通常国会が閉会した翌日の6月18日以来49日ぶり。しかし質問は、内閣記者会と地元の広島市政記者クラブが事前に通告した計4問に限られ、追加質問は認められないまま約15分で打ち切られた。記者側から、これまで会見しなかった理由を大声で問われ、首相は「(今後)節目節目において会見を考える」と理解を求めた。その後も記者側から質問が飛んだが、首相は応じることなく立ち去った。

 政府が一律の帰省自粛を求めない一方、東京をはじめ各自治体では自粛を求める動きも広がっている。

 東京都の小池百合子知事はこの日、臨時の記者会見を開き、お盆帰省や夏休みの旅行を控えるよう都民に要請。「今年は特別な夏。離れて暮らす家族とは電話やオンラインで交流してほしい」と述べた。愛知県も、6~24日を対象期間とする独自の緊急事態宣言を発令。大村秀章知事は「お盆休みの前後の行動を抑制してもらい、感染拡大を一気に封じたい」と述べ、県境をまたぐ移動などの自粛を求めた。

 お盆帰省に対しては、そもそも政府内の見解が一致せず、与党からも「メッセージが分かりにくい」との指摘がある。西村康稔経済再生担当相が2日の会見で「慎重に考えないといけない」と述べた翌3日、菅義偉官房長官が「一律に控えてくださいと言っているわけではない」と軌道修正したこともあった。

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」は続き、国や各地方自治体のメッセージも食い違う。帰省は国民一人一人の判断に丸投げされた形だ。

 そんな中、安倍政権は臨時国会の召集も拒んでおり、説明責任を求める声はやみそうにない。永田町関係者からは「会見で丁寧な説明はしない、対策は決められない、国会は開かない、では国民の困惑や不信は深まるばかりだ」との声が上がっている。

 《記者の腕つかんで質問制止》この会見を巡り、朝日新聞社は、終了時に質問を続けた朝日新聞記者の腕を官邸報道室の職員がつかみ、質問を制止したとして報道室に抗議したことを明らかにした。報道室の富永健嗣室長は「広島空港への移動時刻が迫っており、速やかな移動を促すべく注意喚起したが、腕をつかむことはしていない」と回答した。

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