豪雨 本州にも…岐阜・長野、一時大雨特別警報 飛騨川が氾濫 浸水、崩落、4000人超孤立

[ 2020年7月9日 05:30 ]

 九州広域に深刻な被害をもたらしている豪雨は8日、本州にも拡大し、気象庁は岐阜、長野両県にも一時、大雨特別警報を発表した。岐阜県では飛騨川が氾濫し、複数の土砂崩れが発生。下呂市や高山市で計4000人以上が孤立状態になった。九州から東日本を縦断するように停滞する梅雨前線は、9日以降も広範囲で豪雨被害を起こす恐れがあり、厳重な警戒が求められる。

 岐阜県では、激しい雨により山間部の下呂市で飛騨川が氾濫。「こんなに雨が降るのは初めてで怖い」。住民からは不安の声がこぼれた。

 流域では土砂崩れが多発。下呂市の馬瀬地区は、外部とつながる多くの道路が通行止めになり、一時約400世帯が孤立状態になった。この地域の建設会社役員小林学さん(60)は「ザーッという大きな雨音で夜中に何度も目が覚めた」と話した。自宅そばの川は水の流れが強く、橋が流されそうだという。下呂市では、少なくとも7カ所で土砂崩れが発生。道路が寸断されて近づけない現場もあるという。

 下呂駅近くのホテル「くさかべアルメリア」では8日も45組ほどの予約があったが、電話でキャンセルを促したといい、山田琢常務取締役(39)は「新型コロナウイルスの影響から客足が戻りつつあったのに…」とうつむいた。

 高山市でも、午前5時すぎ「自宅近くの市道が崩れ、家族9人のうち6人は近くの民家に避難したが、3人がそのまま残されている」と連絡があった。消防が午前9時半ごろ、70~90代の男女3人を救出した。

 国土交通省高山国道事務所は、下呂市の国道41号が飛騨川の増水で、岸ごと崩落したのを事務所のカメラで確認した。崩落は100メートル以上とみられる。

 下呂市と高山市の一部は24時間雨量で観測史上1位を更新。岐阜県によると、両市と美濃市、白川町など8市町で50世帯以上が床上・床下浸水した。道路が寸断され、計約1600世帯、計4000人以上が孤立状態となっている。

 長野県では、犀川と木曽川が氾濫危険水位を超え、松本市の国道158号のトンネル付近で土砂崩れが発生。上高地の宿泊施設の客や従業員ら約290人が孤立。復旧の見通しは立っていないが、食料やライフラインは確保されているという。

 総務省消防庁によると、福岡、熊本、岐阜、大分、長野、兵庫の6県で87万6000人に避難指示が出た。

 梅雨前線は10日ごろにかけて西日本、東日本に停滞する見込み。大気の状態は不安定で前線活動は活発な状態が続く。九州も再び激しく降る恐れがあり、被害がどこまで広がるのか緊迫が続く。

 《インド洋の海面水温上昇が要因か》今回の豪雨について、気象庁は、列島から離れたインド洋の海面水温の上昇が要因の可能性があると分析している。今年6、7月にかけて、インド洋では平年より0.5度高い状態。この温度の高さに伴って、インドネシア付近では上昇気流が活発で、雲を発生させている。雲は一定の高さになると周囲に広がり、フィリピン付近で下降気流となり、雲の発生を抑えている。このため、太平洋高気圧が日本の南から南西に張り出し、周辺を回るように、暖かく湿った空気が東シナ海方面から梅雨前線に流れ込んでいる。

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