「女帝」著者・石井妙子氏が見る小池氏2期目…自分ファーストで都政崩壊加速

[ 2020年7月6日 05:30 ]

東京都知事選2020

 圧勝で再選を果たした小池百合子氏。彼女の半生に迫り、ノンフィクション作品として異例の20万部を突破した「女帝 小池百合子」(文芸春秋)の著者石井妙子氏(51)がスポニチ本紙の取材に応じ、今後の都政運営に厳しい目を向けた。

 コロナ禍とオリンピック問題を抱え、小池都政はさらに迷走し、混乱すると思います。経済成長は見込めず、高齢化も深刻です。誰がやっても難しい4年間であると思いますが、自分にしか興味のない小池氏が再任されたことで、崩壊の速度は増していくことでしょう。

 小池氏はコロナ対策ほかで1兆円近くあった都の財政調整基金をほぼ使い果たし、現在は807億円しか残っていません。現状の危機感をどれだけ持っているのか、正しく現実を認識できているのか、それすらよく分かりません。経済対策には疎く、興味も、知識もない。周囲によほど優れた人をそろえ、的確な助言を引き出し現場に反映させていかないと大変なことになると思います。

 「女帝…」では「彼女がいったい何者であるか」ということについて書きました。都民は小池氏のパフォーマンスに惑わされず、実態をよく見ることです。都知事記者会見や都議会はインターネットで生中継されています。そういったものを見ると彼女の本質を理解できると思います。

 今回の選挙戦ではテレビ討論会に応じず、街頭演説も一切行いませんでした。コロナ対策に全力を尽くしたいからだと説明しましたが、実際は4年間やってきた都政運営も学歴詐称の疑惑も、きちんと説明をする自信がないから避けたかっただけでしょう。

 一方でコロナに関わる記者会見だけは頻繁に開き、防災服と派手なマスクで臨んで「コロナに頑張っている女性都知事」というイメージを演出しました。政策を語ることをしないで、うわべの自己演出だけで選挙を乗り切ろうとする。キャッチーな言葉や魅力的な外見で有権者の心をつかもうとするのは、テレビ的発想な感性だと思います。

 彼女は国政に未練がある。防衛相を適当な理由をつけて55日間で投げ出した時のように、どこかで口実を見つけて「責任を取って都知事を辞める」と言いだし、国政復帰を狙うかもしれません。ただし、それは許されることではありませんし、彼女を受け入れる先があるのかどうかも疑問です。再選後はいばらの道で失政を重ね、国政復帰の目もなくなるのではないでしょうか。

 都民には小池氏を選んだ責任があります。このまま彼女の“自分ファースト”が進んだら、どうなってしまうのか。東京の没落は日本の没落です。世界から取り残され、相手にされなくなるのではないか。それを阻止できるのは都民だけです。都民とメディアが厳しく監視しなくてはなりません。4年前の都知事選で派手な自民党批判をして人々をあおった時のように、派手なパフォーマンスを始め、彼女が誰かを何かを批判し始めたら要注意です。それに乗ったら、彼女の思うつぼです。 (ノンフィクション作家)

 《学歴詐称指摘で話題》「女帝…」で大きな反響を呼んでいるのが、小池氏の学歴詐称問題だ。小池氏はカイロ大卒としているが、大学時代の同居人女性への取材などから石井氏は疑いを向けている。小池氏は先月15日の記者会見の終了時に卒業証書と卒業証明書の「原本」を報道陣に公開。「どうぞ、ご自由にご覧いただきたい」と言い残して会見場を後にし、質疑には応じなかった。石井氏は「疑惑に対する説明が一切ない。この学歴問題は小池氏の本質を表す事象の一つだ」と指摘した。

 ▽「女帝 小池百合子」 石井氏が3年半の歳月を費やし100人以上に取材して小池氏の知られざる半生を描いた。生い立ちから小池家と石原慎太郎氏との半世紀に及ぶ因縁、謎多きカイロ時代、テレビキャスターから権力の階段を駆け上がるまで綿密な描写で記されている。オリコン週間“本”ランキング(6月15日付)で7位に入り、小池氏関連書で初めてトップ10入り。最新ランキング(7月6日付)では4位に順位を上げている。

 ◆石井 妙子(いしい・たえこ)1969年(昭44)生まれ、神奈川県出身の51歳。白百合女子大卒。銀座のバー「おそめ」の伝説のママ上羽秀さん、宮沢りえ、安倍昭恵氏ら女性の評伝を数多く手掛ける。16年に発表した女優原節子さんの生涯に迫った「原節子の真実」で第15回新潮ドキュメント賞を受賞した。

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