北朝鮮、爆破に続く“二の矢”韓国糾弾ビラ返し「南北合意は紙くず」

[ 2020年6月22日 05:30 ]

 北朝鮮の朝鮮労働党統一戦線部は20日付の報道官談話で、韓国に対する糾弾ビラ散布計画を巡り、韓国統一省が南北合意違反だとして計画中止を求めたことに対し「合意は紙くずになった」と反発、変更する意思は全くないと表明した。朝鮮中央通信が21日伝えた。

 ビラ散布を巡っては、2018年4月の首脳会談の板門店宣言で、軍事境界線一帯でビラ散布を含むあらゆる敵対行為を中止すると明記している。談話では、先にビラを散布したのは韓国であり、政府も黙認したと改めて非難。南北関係は既に破綻したとした。

 北朝鮮軍は前線地帯の一部をビラ散布のため国民に開放すると予告。大々的なビラ散布の準備が全国で進められている。

 ビラ散布は、朝鮮労働党の金正恩委員長の妹で第1副部長の与正氏が主導した南北共同連絡事務所爆破に続く“二の矢”となる。コリア・レポートの辺真一編集長は「これも与正氏が主導しているとみていい」と語る。南北のビラの応酬は体制批判や不満醸成を狙って繰り返されてきたが、現在、北朝鮮は深刻な紙不足に陥っているという。

 苦しい台所事情にもかかわらず突き進むのは、一つは正恩氏の健康不安説が再燃する中、「これまでベールに包まれてきた与正氏の名前はまだ全土に浸透していない。文政権にケンカを売ることで、正恩氏の名代として絶好のアピールになる」と辺氏はみる。

 また、与正氏が「隠れみの」になっている可能性もあるという。これは正恩氏が新型潜水艦の開発に注力するため、国際世論の視線を与正氏に向けさせているとの見方だ。辺氏は、早ければ25日の朝鮮戦争勃発70周年にも潜水艦が披露されるとみている。その場合、正恩氏は姿を見せるのか。与正氏の動向とともに注目が集まる。


 《朝鮮戦争時代から南北で応酬》
 南北によるビラの応酬は朝鮮戦争が勃発した70年ほど前から敵陣営の体制切り崩しの常とう手段として繰り返されてきた。

 辺氏は「過去には、互いに架空の反体制組織をでっち上げて、その組織がビラをまいたという“ステルス戦術”の応酬もあった」と説明。風船などにくくられたビラが風や海に流されて、日本に漂着したこともあり「南北関係の情報が入ってきづらい日本でビラを見つけた人の中には、反体制組織が実在すると思い込んでしまう人もいた」という。

 今回の緊張関係を引き起こすきっかけになったビラについて「現代ではどういう団体や組織が動いているか分かるようになっていて、時代の変化を感じる」と指摘した。

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