“深夜の街”新宿ゴールデン街 完全復活はまだ先も客からは「再開はうれしい」

[ 2020年5月27日 05:30 ]

眠らない街 新宿の“夜明け”

営業を再開した「シャドゥ・珍呑」の店内に立つ(左から)従業員のそらさんとオーナーの志野哲寛さん
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 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の解除に伴い、東京都は26日午前0時から休業要請緩和のロードマップ「ステップ1」に移行した。“深夜の街”新宿ゴールデン街では、24時間営業で知られる名物店が復活。客から喜びの声が漏れた。午前中からカフェを始める店もあり、コロナ時代の“新ゴールデン様式”を探る動きも見られた。

 「ステップ1」に入った6時間後の午前6時、いち早く開店したのがゴールデン街入り口にあるバー「シャドゥ・珍呑(ちんどん)」だ。

 飲食店の営業が2時間延びて午後10時まで可能になったが、志野哲寛オーナー(67)は「この街は深夜がメイン。午後10時に閉めろというけど、普段なら開いてない店の方が多い時間。短縮営業は、むしろ混む。深夜営業の方が“密”は少ない」と毒づく。それでもコロナ対策で、店内ではマスクやフェースシールドを着用。カウンターにはビニールカーテンを引き、客が安心して酒を飲める環境は整えた。

 深夜の東京を象徴するゴールデン街でも異彩を放つ名物店。1984年開店の「シャドゥ」が1階、その後「珍呑」を同じ建物の2階に構え、ともに24時間、365日営業している。志野さんによると「1週間、10日間ずっといて、入浴だけ外に出る客もいる。独身で家代わりに使う人、お金があってもホームレスみたいな人もいる」。お通し代わりに歯ブラシや歯磨き粉、風邪気味の人には風邪薬が出されるアットホームすぎるバーだ。

 早速、午前6時40分に客として訪れた千葉県の派遣社員の男性は「2、3年ほぼ毎日来て、こんなに来ない日々はなかった。この店は和める。夜勤明けの一番の息抜き。再開はうれしい。マニアックな映画や音楽…どんな話もできる」とオーナー、女性スタッフとの再会に笑みが漏れた。

 約1カ月半の休業による損失は大きい。スタッフ約20人への補償は約200万円。都から「協力金」100万円が支給されたが、貯金を切り崩す一方だ。

 歌舞伎町の外れに約300のバーがひしめくゴールデン街。以前は作家や映画監督ら文化人のたまり場だったが、最近は外国人客や若者でにぎわっていた。この日開店したのは約3割。「解除が突然で、間に合わなかった」という店主もいた。都の休業要請は「ステップ3」まで進んでも午前0時まで。“深夜の街”の完全復活はまだ先で「普段は午後8時に開店していたが、前倒しも考えなくては」との声も聞こえた。

 《カフェとバーの2本柱で営業》新たな営業スタイルを目指す動きもある。バー「HALO」は午前11時、カフェとして開店。客が推薦文を書いた本を置き、客同士が本を通じてつながる趣向も取り入れた。今後はカフェとバーの2本柱で営業する。

 逵(つじ)誠也オーナー(30)は「以前から考えていたがコロナ禍を機に今日から始めた。コーヒーのテークアウトなど違うやり方も考えなくては」と強調。元の眠らない街に戻るには、まだ時間がかかりそうだ。

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