答弁グダグダの森法相 進退伺も安倍首相慰留 政権にとって「都合のいい女」

[ 2020年5月23日 05:30 ]

記者会見で検察や行政の信頼を損ねたことに関して謝罪する森法相=22日午前
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 政府は22日、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言中に、新聞記者らと賭け麻雀をした東京高検の黒川弘務検事長(63)の辞職を閣議で承認した。また、森雅子法相は安倍晋三首相に進退伺を提出したが、首相は慰留。野党などから首相と森法相への任命責任追及の声が強まる中、永田町関係者からは「茶番」「(森法相は)政権にとって都合のいい女」との声も上がった。

 黒川氏の辞表提出から一夜明けたこの日、森氏は午前の記者会見の質疑で開口一番、安倍首相への進退伺を21日夜に出したと説明。首相から「強く慰留された」とも明らかにし「検察の立て直しをしなければならない」と辞任しない意向を示した。

 その後、永田町に波紋が広がった。根回しが十分行われた形跡がなく、官邸筋は「なぜ自ら公表したのか」といぶかった。続投となった森氏だが、与党内では「軽はずみ」とみる向きが多く、野党は「グダグダ」と評する。この日の衆院法務委員会でも黒川氏の処分が「訓告」と軽かった理由について聞かれると「(賭け麻雀の)レートと本人の態度を総合的に判断した」とにわかには信じられない基準を挙げ、委員会室をどよめかせた。

 質問に立った無所属の山尾志桜里衆院議員からは「辞めたいけど頑張るんでしょ。だったらちゃんと答弁してくださいよ」などと厳しい言葉を投げつけられた。

 また、強引に定年延長を閣議決定した黒川氏の後任を選定していることについて、野党から「余人をもって代えがたいポストを今決められるなら、1月にも代えられたのでは」と聞かれると「その時点では業務に支障が出るため代えられなかった。当時の判断は適切」と自信なさげに答えた。

 与野党から答弁力の低さを指摘される森氏。首相と同じ細田派で、参院当選3期の間に異例の2度の入閣を果たし、首相の“秘蔵っ子”と目されている。元弁護士で河井克行前法相の後任に起用された際は「お友達人事」との揶揄(やゆ)もあった。森氏がここで閣僚を辞すれば、河井氏に続く法相の連続辞任となり、政権基盤が動揺するのが明らかで安倍首相としては阻止したいところ。政治評論家の有馬晴海氏は「進退伺を出して、慰留するのは想定内。首相は辞めさせるつもりは全くなかっただろう」と指摘する。

 党内からは隠れた評価があった。自民党関係者は「下手な答弁を軽はずみにするから論点がズレすぎて野党もうまく突っ込めない。そこに利用価値がある。永田町では政権にとって“都合のいい女”と呼ばれている」と打ち明ける。安倍首相にとっては批判の矛先を森氏に向けさせるスケープゴートとの見方もあり「何か失点があれば、森さんも切り捨てられるだろう」との声もある。都合の良さはいつまで続くだろうか。

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