賭け麻雀認めた…黒川検事長、辞職へ 処分「訓告」退職金7000万円支給見込み

[ 2020年5月22日 05:30 ]

2月、検察長官会同に出席した黒川弘務東京高検検事長(右)と林真琴名古屋高検検事長
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 東京高検の黒川弘務検事長(63)の賭け麻雀問題が発覚してから一夜明けた21日、法務省の調査に対し黒川氏は事実関係を認め、安倍晋三首相に辞表を提出した。22日の閣議で承認後、天皇陛下が裁可して正式に認められる。

 黒川氏は「報道された内容は、一部事実と異なる部分もあります」とした上で「行動は緊張感に欠け、軽率に過ぎるものであり、猛省しています」とのコメントを出した。森雅子法相によると、黒川氏は5月1、13日に知人の産経新聞記者宅で金銭を賭けて麻雀を行ったことや、記者にハイヤーで送迎されていたことを認めた。

 50代の男性社員が参加していた朝日新聞社によると、産経記者2人を含めた4人は3年間にわたって月に2、3回程度集まっていた。1回の麻雀で勝ち負けは、1人当たり数千円~2万円程度。5月13日は産経記者と朝日社員が数千円勝ち、もう1人の産経記者と黒川氏がそれぞれ負けた。4月13、20日も同所で麻雀をした。

 黒川氏には「訓告」処分が科された。国家公務員法に基づく懲戒処分ではなく、内規に基づく処分。6000万~7000万円になるとみられる退職金は支給される見通しだ。

 安倍政権は1月末、検察庁法の従来の法解釈を急きょ変更し、黒川氏の定年を半年間延長。野党が違法性を指摘したが、手続きは適正で、検察に引き続き必要な人材だと反論していた。その黒川氏が不祥事で辞職する事態に、野党からは内閣総辞職や森法相の辞任を求める声も上がった。

 安倍首相は「首相に当然責任がある。批判は真摯(しんし)に受け止めたい」とし森法相は「責任を痛感している」と語った。

 政府・与党は黒川氏の辞職で早期の幕引きを図る。しかし、政治アナリストの伊藤惇夫氏は定年延長の閣議決定や、検察庁法改正案に関する説明責任を果たすべき状況は変わらないと指摘。「“おうち時間”が急増して報道への関心が高まった。時間がたてば世間は忘れるというのは通用しない」と述べた。さらに東京五輪の延期や全国高等学校野球選手権大会の中止などによって、秋まで関心がそれにくいとした。黒川氏が身を引いてもなお、国民の不信感は根強く残りそうだ。

 《賭博…50万円以下の罰金または科料》刑法は、賭博をした者は50万円以下の罰金または科料に処せられると規定している。2013年には、勤務中に交番で賭け麻雀をしたとして、名古屋簡裁が愛知県警の巡査部長と巡査に罰金10万円の略式命令を出した。一方、賭博罪は飲食代など一時的な娯楽に供する物を賭けただけのときには処罰されないとする例外規定もあり、金額や頻度によっては立件されない場合もある。

 《黒川氏の後任は林氏が軸に》今後は稲田伸夫検事総長(63)の監督責任も焦点となる。黒川氏の後任は、名古屋高検の林真琴検事長(62)を軸に調整が進められている。元々、今年7月で在任2年になる稲田氏が後任に考えていたのは林氏だった。

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