緊急事態宣言なぜこのタイミングで…安倍首相、埋められた“外堀”

[ 2020年4月7日 05:30 ]

安倍晋三首相
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 安倍晋三首相は7日、緊急事態宣言を発令。東京都で3桁の感染者が発生し続け、医療崩壊を阻止することなどが目的。

 「爆発的な感染を防ぐため、国民に協力をいただく必要がある」。首相は会見で呼び掛けた。
 国民生活に甚大な影響を及ぼす重大決断は、なぜこのタイミングで下されたのか。宣言発令で封じ込めを徹底するか、経済への決定的な打撃だけは回避するか。3月下旬から迷い続けた。欧米では緊急事態宣言などに基づく外出制限を講じた後にオーバーシュート(爆発的な患者急増)が発生。米ニューヨーク州では先月7日に非常事態宣言が出されてから、感染者数は1カ月で130倍以上となる約12万2000人に拡大。イタリアは感染確認が中国人観光客2人だった1月31日に緊急事態を宣言。現在13万人に迫る。宣言をしても感染防止の効果が海外で不透明だったことなどから、慎重な姿勢を崩さなかった。

 情勢に微妙な変化が生じたのは3月20日からの3連休で繁華街に大勢の人が繰り出してから。各地で感染経路が不明な事例が多発。海外からの帰国者の陽性反応が増加しつつあった。首相は周囲に「ちょっと緩んでいる」と懸念を募らせた。盟友の麻生太郎副総理兼財務相に「宣言を出さなくて大丈夫だろうか」と心境を吐露すると「待ってください。経済が大変なことになる」と引き留められた。

 相次ぐ周囲の要請に、首相は四面楚歌(そか)とも呼べる状況に追い込まれていく。東京都の小池百合子知事は再三にわたり「国が早期判断を」と迫り、日本医師会も一刻も早い宣言を要求。経団連も発令を容認する形で緊急提言を出した。私権制限に慎重だったはずの野党側からも「宣言を出さない理由が理解できない」との声が噴出。「反対勢力がいなくなった」(官邸筋)ことで外堀が埋められた。

 大勢が決まったのは5日。都内の累計感染者数が1000人を超え、確保した病床数とほぼ肩を並べた。医療崩壊に陥る爆発的な事態は避けなければならない。首相は私権制限を含む「伝家の宝刀」を抜く決断をした。

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