米国、個人や企業が中国政府相手に集団訴訟 コロナ拡大責任で数十憶ドル要求 認められれば銀行口座凍結も

[ 2020年3月30日 05:30 ]

 新型コロナウイルスの発生源や感染拡大を巡って米中の非難合戦が続く中、中国側の対応の遅れが被害を深刻化させたとして、米国の個人や企業が中国政府などを相手取って集団訴訟を起こした。数十億ドル(数千億円)の損害賠償を求めている。

 米メディアによると、南部フロリダ州で今月12日、中国政府がウイルスへの初動を誤ったため多大な損害を被っているとして、約1000の個人や企業が原告となり、連邦裁判所に訴えを起こした。

 起訴状によると、被告は中国政府のほか、武漢市のウイルス研究所など。ウイルスの発生で心身の不調に苦しめられているのは、中国政府が「ウイルスが危険でパンデミックを起こすと知りながら対応を遅らせ、経済的利害を考慮して隠ぺいしようとしたため」と主張。発生源が中国・武漢市のウイルス研究所であるとの疑惑にも言及している。

 ウイルスを巡っては、トランプ米大統領が「中国ウイルス」と表現。一方、中国外務省幹部が「中国に持ち込んだのは米軍だ」とツイートするなど米中が激しい舌戦を繰り広げた経緯がある。

 果たして裁判で中国側の責任を問えるのか。米国の司法制度に詳しい駿河台大名誉教授の島伸一弁護士は「国家は他国の裁判権が及ばない免責対象という見方が支配的で、研究所や所長もそれに準じる。だが議論の分かれる部分もあり、やってみなければ分からない」と指摘。棄却されず、審理に入れば「感染拡大が、中国側の過失によるものと認められるかが焦点。米国は陪審員制度なので、市民の怒りが反映されて中国側の責任が認められる可能性は高い」との見方を示す。そうなると、中国側が賠償に応じなくても、米国内にある銀行口座の凍結などの経済的措置が取れるという。

 パンデミックが地球規模で深刻化する中、両大国の“争い”が法廷に持ち込まれることになれば、混迷はより深まることになりそうだ。

 《東日本大震災時の米兵訴訟は棄却》米では東日本大震災直後に行った被災地支援活動「トモダチ作戦」に参加した米兵らが、原発事故の正確な情報を伝えられないまま任務に従事して被ばくし、健康被害を受けたとして12年、東京電力などを相手に訴訟を起こした。東電に対して総額1億1000万ドル(当時約94億円)の損害賠償などを求めたが、米連邦地裁は13年に棄却。米兵らは17年と18年にも活動に当たった兵士の治療費に充てるための基金を創設するよう東電に求める訴訟を起こしたが、いずれも棄却されている。

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