新型コロナ、感染拡大進めば医療破綻も 政府専門家会議「これから1~2週間が瀬戸際」

[ 2020年2月25日 05:30 ]

 国内の新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)対策を検討する政府専門家会議は24日、感染拡大が進めば医療の破綻が起こりかねないとの警鐘を鳴らした。院内感染により診療を取りやめたり、多くの軽症患者が来院した場合、重症患者の救命に労力が割けなくなる恐れも出てきた。25日に対策本部会議を開き、政府の基本方針案を正式決定する。

 政府専門家会議が出した見解では「複数の地域で、誰から感染したか分からない例が報告されており、国内で急速に拡大しかねない状況だ」と分析。拡大が進むと「医療の破綻が起こりかねず、社会・経済活動の混乱が深刻化する」と危機感を示した。本来は政府の対策本部に助言するための会議だが、市民にも今の状況と感染拡大防止に重要なポイントを直接伝えるため、異例の見解を出した格好だ。

 医療破綻につながる最大の懸念は、医療機器の不足。首都圏周辺の病院は、横浜港に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の重症患者を受け入れた。だが生命維持装置「体外式膜型人工肺(ECMO)」の数が限られ、新たな重症患者に対応できない心配が既に出てきている。

 ウイルス検査機関のパンク回避も課題だ。簡便な検査キットがあるインフルエンザと違い、新型コロナウイルスの判定にはウイルスの遺伝子を増幅させるという時間のかかる方法しかない。日本感染症学会は「入院が必要な肺炎や、医師が感染を疑った場合に絞ることが必要になる」と提言している。

 同会などは、熱が4日~1週間も続き、息苦しさやせきが悪化するような場合でなければ「(家族との接触を避けて)うつらないよう注意し、自宅療養すれば十分」とする。感染を心配した多くの人々が外来に殺到するとさらに混乱する恐れがあるためだ。その一方で、医師や患者の感染が判明した和歌山県の済生会有田病院や、看護師が感染した熊本市の病院では外来診療を中止。大阪大の朝野和典教授(感染制御学)は「地域で必要な医療を受けられない患者さんが出てしまう恐れがある」と話す。

 政府専門家会議は「これから1~2週間が急速な拡大か終息かの瀬戸際」と指摘。今後に向け「医療機関が感染を急拡大させる場所になりかねない」と危機感を示し、市民には軽い症状の場合は自宅にいるよう要請した。

 ▼政府の専門家会議副座長尾身茂地域医療機能推進機構理事長 国内は、感染の拡大を抑えられるかどうか、正念場にある。これまで政府に意見をしてきたが、市民に直接見解を伝えるのが専門家としての責務だと考えた。すべての感染を防ぐことはできないが、最悪の状態を回避するため、熱があれば外出を控えるなど、みんながそれぞれ、やるべきことをやってほしい。

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